日刊ニュース

2013.03.02 のニュース

円安値上げも一服状態に ―ガソリン横ばい、灯油は値下げー

 みずほ総合研究所の調査(25日)によるとガソリン価格は平均で156円20銭/Lとなり、前週に比べると1円の値上がりで、12週連続の値上がりとなった。灯油は、SS店頭で101円50銭、配達は108円30銭で各10銭の小幅上げとなったが、実質横ばいとなった。23日からの仕切価格が、ガソリンは据え置きから小幅値上げ、灯油は値下げとなったことを反映したものであり、末端市況は一服状態となってきた。
 灯油はシーズンが終りに近づいたこともあり、値下がりとなってきた。先物も灯油は74円/L、ガソリンは78円で推移しており「ガソリン高の灯油安」となっている。今後はガソリン販売が重点となる。
 コストの変動は、為替の動向に左右されている。このところは92円/ドルとなり、一時の94円~95円に比べると円高となり安定している。世界の金融市場、経済情勢によって大きく変動するため注目されるが、ここにきて連続した円安値上げも調整局面となってきたようだ。
 原油価格もWTIは92ドル/バーレル台に、ドバイも110ドル台から108ドル程度に値下がりしてきた。円高、デフレからの脱却策としてアベノミクスを打ち出したことで、為替が昨年12月の80円から一気に94円へと円安進行したため、仕切価格は昨年12月から2月まで円安値上げが続いた。JX日鉱日石エネルギーでみると、12月平均は2円40銭、今年1月が2円50銭、2月が4円80銭で計9円70銭の値上げとなっている。
 その結果、ガソリン価格は、平均で156円となり、東京は157円、神奈川が155円に値上がりした。高値は長崎の161円40銭、鹿児島の160円60銭で160円台に乗せており、北海道は159円となっている。そのため昨年3月と同様に160円相場も現実味を帯びてきた。マスコミもガソリン高を伝えているが、すでに昨年3月には平均で158円を記録しており、高値に対してユーザーからの反発は、それほど出ていない。しかし、ガソリン、灯油が高値となると家計の負担増となるため、石油業界としては城阪を懸念している。
 昨年3月にドバイ原油が124ドル/バーレルに急騰した際、ガソリンが調査価格で158円に値上がり、都内では160円相場となったため、ガソリン税を引き下げるトリガー条項の適用を求める意見が出たが、当時の民主党政権は、財源難を理由に発動を見送
つた経緯がある。その後、原油価格は6月に89ドルと、3月に比べると約30ドルも急落したためガソリンは7月に139円まで下落した。その結果、ガソリンの高値問題は解消された。
 このように原油価格の動きは予想ができず不透明である。昨年4月~6月は、原油価格の急落で在庫評価損が発生したことに加え、マージンが減少したため石油各社の業績は悪化した。その後、原油価格は値上がりに転じ、9月には110ドルを超えており、ほぼこの水準で推移しているが、足元は108ドルと小幅な下げとなっている。石油各社は、4月~6月の原油価格の下落に伴う在庫評価損のマイナスを、下期で原油価格の値上がり、円安による在庫評価益で相殺して黒字挽回することを狙っている。原油価格、為替が現在の水準で維持できれば3月期決算は目標が達成されそうである。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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