日刊ニュース

2013.03.02 のニュース

石油の利用基盤を堅守しよう

東日本大震災からまもなく2年。発生頻度は減ってきたが、大きな余震が続いている。気象庁統計では、本震以降~今月4日までに領域内で観測された震度5弱以上の発生回数は11年に47回、12年11回、今年2回の計60回。うち16回は関東の茨城・千葉の陸上や沖合い。震度4は224回を数える。
 3・11の当事者としてエネルギーの安定供給に奔走した我が石油業界は、地震をはじめとする災害や非常時の体制整備を鋭意進めている。だが、需要サイドのリスク管理意識は総じて少しずつ薄れてきたのではないか。ユーザーと日々接している最前線のSS店頭からは、そんな感覚が伝えられてくる。自治体による石油組合との災害時協定は各地で広がりを見せているが、一般ユーザーの関心低下は気がかりだ。大きな教訓として得た混乱の芽を平時に摘んでおくために、常日頃の備えの大切さを繰り返しアドバイスさせていただくのは我々の務めだろう。満タン給油は、ガソリン・軽油パニックを遠退ける重要な手立ての1つだ。
 一方、灯油の場合は異なる側面を併せ持つ。特に豪雪地域では、生活の足の原動力たるガソリンと同等、あるいはそれ以上の生活必需品だ。先週以降、北日本を中心に大雪に見舞われ、八甲田山系の麓に位置する青森・酸ヶ湯では、05年に計測された積雪量501㌢を大幅に更新する国内最高566㌢を記録している。暖房や融雪ニーズが高い地域では、コスト面からみても灯油と無縁の暮らしは考えにくい。
 石連調査によると、東日本大震災の直後に被災地で使用できた暖房・給湯エネルギーでは、灯油がLPG、電気、都市ガスを抑えてトップだった。ポリタンクやホームタンク内の灯油が電気不要の石油ストーブに使われ、役立ったことは想像に難くない。逆にいえば、必要なストックがあればこそ、分散型エネルギーの強みが生きる。
 ぜんせきwebアンケートで実施した昨冬シーズンの灯油商戦総括においては、前期比での販売増と販売減が各4割程度で拮抗するも、収益は悪化が半数近くに達していた。今冬も、1月初旬ごろまでの豊作ムードが薄れ、いびつで極端な仕切り値上げに伴う転嫁不足による収益悪化を訴える声が増えた。需要期は残り少ない。適価販売、石油機器の維持・買替えをサポートし、灯油の利用基盤を堅守する姿勢が不可欠だ。

提供元:全国石油商業組合連合会
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