2013.03.08 のニュース
ガソリンの減販を懸念 -高値感から節約が浸透-
石油統計速報によると1月のガソリン販売は439㌔㍑で前年比で2・7%減となった。2月も6%減が見込まれている。前年2月が閏年であったため1日多いこともあり、3・5%を調整することになるが、この影響による減販が懸念されている。2012年1月~12月の1年間での販売は、5710万㌔㍑で0・4%の微増となった。見通しでは、若者のクルマ離れ、省燃費車の普及、不況による個人消費の減少で販売減が見込まれていた。だが、猛暑であったことに加え、エコカー補助金の支給により新車が増販となった。しかし、好調な新車販売は省燃費車であったため、結果としてガソリンの
増販には結びついていない。
ガソリンの末端価格は昨年1月は143円/㍑であったが、3月に158円と急騰したものの、6月以降は140円台と安値で推移、だが、年末から再び値上がり、今年は1月から150円と高値となった。1月~2月も連続値上げとなり、ここにきて156円相場(みずほ総合研の調査)となってきた。高値感からユーザーが節約志向となったことで減販となり、販売業者の悩みのタネとなっている。一方で、厳しい冷え込みで灯油販売は好調で推移したこともあり、需給もタイトで推移したことから、ガソリンのユーザー転嫁が浸透したため、マージンは確保できたようである。
円安による仕切価格の連続値上げによって、現在、末端市況は高値となっており、さらなる減販が懸念される状況となってきた。ガソリンの仕切価格は、昨年12月から今年2月にかけて平均で約10円の値上げとなっている。その結果、末端市況も11月の146円から2月25日訓査では156円となり、10円の値上がりとなっている。マクロでみると仕切価格と末端市況の値上がり幅が同額となっており、ユーザーに転嫁していることになる。だが、市況実態からみると安値では150円割れも散見されるため、販売業者にとっては厳しい状況となっている。
原油価格はドバイで110㌦/バーレル台(昨年末は105㌦程度)と値上がりしてきたが、一連のガソリン価格の値上がりは円安によるものであるため、ユーザーへの説明が難しい。為替が昨年10月~12月平均の81円/㌦から94円/㌦へと大幅な円安に転じた結果である。一時92円台と円高になったが、再び93円台に戻したため、原油価格は円建てペースで連続して値上がりとなっている。
現在のガソリン、灯油の高値に対して、消費者からは反発が出始めており、国会でも議論となる状況となっている。そのため、資源エネルギー庁では元売各社からヒアリングを行ない、消費者に対しての丁寧な説明、便乗値上げをしないよう要請を行なった。
3月に入り、第1週の2日から仕切価格が値下げとなってきたため、価格問題は沈静化の方向となってきた。また、灯油はシーズン終了に近づいたこともあり、値下がりとなっている。今冬は冷え込みが厳しかったため灯油販売は好調であるが、ガソリン今後も減少が続きそうである。マスコミの報道では、円安によって値上がりしている輸入品の代表格として、ガソリンを取り上げていることもあり、一層の減販が懸念される状況となってきた。