日刊ニュース

2013.03.27 のニュース

4月~6月の需給取組みがヤマ場に-減販傾向で供給増を懸念-

いよいよ平成25年度入りとなるが、スタートとなる4月~6月は不需要期であるため、各社の需給取り組みが注目される。高度化法による設備処理の対応もあと1年を残すが、各社の計画も出揃っており、すでに先行して設備処理が実施されているため、需給のバランスが大きく崩れることはないとみられる。
 しかし、4月~6月は製油所の定期修理が実施され、各社は減産で対応するが、中間留分、ガソリンなどの販売が減少するため、予想以上の減販となると供給増となることも懸念される。そのため、この時期をいかにうまく乗り切るかがカギとなる。一方、操業を停止していた設備の再開もあり、一時的には増産、増販の動きも予想される。各社の生産計画がまちまちであるため、タイムラグも生じることから局地で需給バランスを崩すことも考えられる。
 設備処理計画は、来年3月までには終えることになっているため、その間に増産で対応すると供給増となる。とくに、販売が落ち込むことになれば、需給が緩和する。各社とも需要に見合った生産で対応するが、基調となる需要見通しを、どの程度予測するかによって対応が変わる。資源エネルギー庁では、25年度の需要見通しを策定する計画であるが、新しいエネルギー基本計画も審議を開始した直後であり、時間的に間に合わず、各社は24年度の延長線上で想定するが、需要増は期待できない見通しとなる。
 東日本大震災後、今日まで需要見通しが策定されないため各社ごとの判断で対応しているが、原発の稼働停止により電力用C重油が増販となったため、他油種は減販となったものの、燃料油全体では増販となっている。24年の1年間でみると燃料油全体では3・5%増、ガソリンは0・4%、灯油は2・3%、軽油は2・3%、C重油が37%の各増、A重油は2・3%減となっている。ガソリン、灯油、軽油が微増となっているが、この流れが25年も続くとは限らずマイナスも予想される。
 だが、これまでの傾向と25年度の需要見通しとは大きく乖離することはないとみられる。ただ、各社の見通しが増加であるのに対し減販となれば供給増となる。
 とくにガソリンは、ここにきて減販となってきた。24年は微増となったが、昨年12月が2・3%減、1月が2・7%減、2月は6%減程度(前年が閏年で1日多い)となっており、3%程度の落ち込みが続いている。減販の要因は、ガソリン価格が連続値上げで150円台に乗せたことに起因するユーザーの消費節約のよるものとみられている。だが、基調としては省燃費車の普及、若者のクルマ離れによって減販傾向にある。ここにきて、減販傾向を強めた見方が出てきた。高値のため、ユーザーは1回当たりの給油で満タンにせず、節約して値下がりを待つなどの動きが出てきた。長距離のドライブを自粛するケースが出ているが、これから春の行楽シーズンとなれば、車の利用も増加するものとみられる。
 一方、中間留分は、不需要期となるため、大幅に減少する。その影響でガソリンの受給が緩和することが懸念されている。これまで需給バランスを保ち、市況も安定して経過したが、これからの需給取り込みがヤマ場となる。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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