2013.04.16 のニュース
灯油終了前の冷え込みが幸い-市況安定でマージン確保で終わる-
灯油シーズンは例年3月で終わりとなるが、今年は4月に入ってからも冷え込み、荷動きがあるため、シーズン終了に近づいても末端市況は値崩れせずに維持されている。販売業者にとっては「終り良ければ総て良し」のシーズンとなったようだ。
今シーズンは、早い時期から冷え込み、前半では厳冬のため増販となったことが、まず幸いした。仕切価格も大幅な値上げが続いたが。末端市況で値上げが浸透したためマージンが確保された。灯油価格はシーズンが終りとなる3月には、業転、先物市況が値下がり、仕切価格も値下げとなる。現在、先物では灯油は72円/㍑ガソリンが76円となり「ガソリン高の灯油安」の価格体系となっているが、末端市況は大きく値崩れすることなく推移している。
灯油販売は2月~3月に気温が上がり、2月販売は286万㌔㍑で前年同月比で13%減、3月も15%減の大幅減となっている。2月は前年が閏年であったため、その反動が出た。2月~3月は気温の上昇もあったが、100円相場という高値感からユーザーが節約志向となり減販となったようである。気温が上昇したことで、桜の開花は例年に比べると早まったが、その後は花冷えとなり低温となっている。そのため荷動きがあり、末端市況は小幅な値下がりとなったが下げ止めとなっている。末端市況もSS店頭は100円/㍑、配達は110円を維持している。
シーズン中の仕切価格は、原油価格の上昇と為替の円安で値上げとなった。シーズン入りの昨年11月から今年の2月までに平均で約11円の値上げとなった。その結果、仕切価格は86円に値上がり、業転市況も80円~81円となった。しかし、3月には仕切価格が5円の値下げの80円となってきた。足元の業転市況は72円となっている。
今冬の灯油商戦を振り返ると、スタートから冷え込み、昨年11月の販売は202万㌔㍑と前年比で23%増、12月が338万㌔㍑で4・7%増、今年1月が329万㌔㍑で1・3%増となった。前半から厳冬となったことで販売は好調に推移した。
仕切価格は、12月には一気に5円50銭の値上げ(ガソリンは2円40銭の値上げ)、1月が5円30銭の値上げ(2円50銭の値上げ)となり、元売は、ガソリンの値上げ幅を抑えて灯油に加重する灯油を重点とした値上げを打ち出し、これがうまく浸透した。灯油は短期間の季節商品であるため、在庫積み上げのコスト増もあり、シーズン中に値取りするためにガソリンよりも値上げ幅を大きくすることで、マージンを確保することにしている。その結果「灯油高のガソリン安」の価格体系となる。その後の調整は2月に行われ、ガソリン5円の値上げに対して、灯油は小幅上げとなっている。灯油シーズンが終りに近づくとガソリンを値上げして、灯油を値下げするパターンが定着している。この調整はタイミングがズレると市況に混乱をきたすが、今冬は灯油シーズンが厳冬となり、増販となったことで需給が締まり、灯油の値上がりがうまく浸透したため、この時期の価格調整も順調に行なわれている。
今シーズンは2月~3月で減販となったが、値上げを実施して以降、ここまで値崩れすることがなく、マージンが確保できたことになる。