日刊ニュース

2013.05.02 のニュース

大口C重油は値上げ打ち出し-ガソリン仕切は値下げに転じるも-

 ガソリンの仕切価格は、4月20日から約2円~3円/㍑の値下げとなり、27日からも小幅な値下げと連続しての値下げとなった。1月から円安による仕切価格の値上げが続いていたが、4月中旬に原油価格が下落した影響によるものである。先物、業転市況が下落しており、ゴールデンウィーク商戦に入って、ガソリンは末端市況も下落してきた。
 一方、大口C重油の4月~6月(コストは3月~5月が対象)の仕切基準は値上げを打ち出している。これは3ヵ月毎の価格改定となるが、コスト変動による値決め方式のため、期間中の円安によるコスト増が影響したものである。LSC重油は7万7440円/㌔㍑で前期(1月~3月期)に比べて1810円の値上げ、HSC重油は7万0350円で2800円の値上げとなった。値上げの要因は、為替が96円21銭/㌦(3月~5月)で前期の88円81銭に比べて7円40銭の円安となったことによる。為替の円安分が約5000円の値上がり分に相当するが、原油価格が5㌦~9㌦/バーレルの値下がりとなったため、円安分と原油価格の下落分を相殺すると1800円(LSC重油)、2800円(HSC重油)の値上げとなり、三期連続の値上がりとなっている。
 C重油の4月~6月期の打ち出し価格は、3ヵ月単位でのコスト変動分を加算しているもので、コスト(原油価格、為替、経費など加算)は3月~5月が対象となる。5月は推定となっているため、足元の為替相場99円/㌦がこのまま推移すると、決着時の5月末にはさらに値上げすることとなる。このように、5月時点での原油価格、為替動向でコストが変動する公算も大きく、決着価格と、今回の打ち出し価格との間に差が出る場合がある。打ち出し価格は目安であり、その後のコストの変動を加味することになっている。つまり、4月~6月のC重油は値上げとなるが、決着するまでの5月のコスト変動については今後に調整の余地を残している。
 ガソリン仕切価格は昨年末より値上げが続き、石油情報センターの市況調査では全国平均が3月に157円/㍑の高値となったが、4月に入り155円へと値下がりとなった。そのため、首都圏の街道沿いは150円の維持が難しくなってきた。
 現在、ガソリン市況は値下がり傾向を強めている。週決めの仕切価格の値下がりは、足元の原油価格の値下がり反映したものである。週決めの市場連動方式では、原油価格、為替のコスト変動を反映しているが、業転市況の相場変動による影響もかなりのウェイトを占めている。
 大口C重油は3ヵ月単位の値決めと期間が長く、コスト変動は緩やかに反映される。基本的にはコストをユーザーが負担することを保障する形となり、石油各社は安定供給を確保することを保障することがルール化されている。双方の信頼の上に成立する値決め方式となっている。問題点としては、新年度入りでフォーミュラの変更交渉があり、今回はHSC重油で原油価格の生産品CIFとボンドバンカーとの合成比率をこれまでの74%対26%から75%対25%へと変更する案が提示されている。その結果、コストが50円を引き上げられることになるが、この点については今後の折衝で調整される。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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