2013.06.20 のニュース
製品需給 安定化の方向 需要回復と減産効果~ガソリン市況立て直しへ~
このところ製品需給の緩和状態が続いていたが、ようやく各社に在庫調整の動きが出てきた。これは、ガソリン需要の回復の兆しがみえはじめ、各社の減産対応、各製油所の定期修理がピークに入ったことによるもの。8日からガソリン仕切価格は各社が足並みを揃え、値上げ基調に転じてきたため、末端市況は下げ止めから、安値を一斉に底上げするものとみる。需給状況については、石連週報の在庫数量の増減にもよるが、これからの各社の販売方針と先行きの見通しが大きく影響してくる。今回は、元売の需給を締める姿勢が、販売業者に反映するものとみられる。
ガソリン在庫数量の動向は市況対策に大きく影響するが、各社の需給取組み、および商社などの輸出入玉の動向は業転市況に多大な影響を及ぼす。
元売サイドの1月~3月販売は大幅な減販となっていたため、市中買いを中止することとなり、売り玉が増加したため、一気に供給増となった。
そのため、業転市況が下落し、本来、為替の円安化によるコスト増のため値上がり局面となるところであったが、逆に値下がりとなった。
その結果、元売はコスト割れに陥り、業績は悪化し、赤字必至となった。
石油の場合、簡単に減産することが難しく、需給を調整するには時間を要するものである。これは、原油調達(タンカー輸送)、精製(生産)、出荷を一貫体制で行なっているため、タンカーが入港したら、即生産、即出荷しなければならない。原油コストが巨額であるため、製油所側の判断のみで減産が出来ない一面がある。
ただ、ここへきて需要が回復の兆しをみせており、製油所が定期修理のピークを向かえ、設備稼働率が68%程度と原油処理量が必然的に抑えられていることもあり、需給調整が可能となってきた。