日刊ニュース

2013.07.02 のニュース

業転安でコス卜割れ続く-元売、業者、マージン減で共倒れ-

 ガソリンのマージン減を解消するために、販売業者は市況の立て直しに取り組んでおり、ボトム価格が引き上げられているが、SS経営は厳しい状況が続いている。ガソリンは2月~3月で大幅減販となり、そのため供給増となり、業転玉が大量に出回ったことで業転市況が下落、コスト回収ができずに、元売、販売業者が共倒れ状況となっている。
 元売の4月~6月業績は、赤字が見込まれている。5月に為替が100円/ドル台と円安が急進したが、ガソリン需給が緩和して市況が下落したため、この円安分を転嫁できず、コスト増分が損失となった。
 一方、ガソリンの末端市況は3月以降値下がりが続き、石油情報センターの調査では156円から152円に4円下落した。ここにきて16週ぶりに値上がりしたが、40銭の小幅であり、四捨五入値では152円が5月~6月続いていた。この間、安値は140円割れの136円~138円となり、街道沿いの中心値は145円~146円となってきたもので、今回、ボトム148円に底上げを狙っている。安い業転玉が大量に出回ったことにより、量販店、HC、PBSSなどが安値攻勢を展開、系列SSからは、業転との価格差を是正すべきとの声が大きくなった。
 このような状況下、自民党石油流通問題議連よる元売へのヒアリング、公正取引委員会のガソリン市場実態調査の結果の提示など、業転問題への取り組みが積極的に行なわれており、市況改善に向けた動きに期待が高まっている。
 元売の現状は、原油(ドバイ)は100ドルを超えた高値となり、為替は100円/ドルの円安で推移、コスト増から逆ザヤとなっている。原油CIF価格でみると3月は68円/リットル、4月は67円の高値で推移、これに石油税2.3円を加算すると原油コストは約70円となるが、業転は73円となっているため、マージンが3円となり、精製費も賄えない。系列仕切価格が79円(ガソリン税込みで133円)とするとマージンは9円となるが、精製費、販売経費を含め10円の確保が最低限必要とされているためコスト割れで販売していることになる。5月の原油CIF価格は66円と値下がりしているが、業転は赤字、系列仕切でも利益の確保が難しい状況が続いている。東京商品取引所の原油市況は62円、ガソリンは73円程度で推移、スプレッドは11円を維持している。
 東石商の調査では仕切価格は134円(ガソリン税を除くと80円)、業転は128円(74円)となっており、系列と業転との価格差は6円と拡大している。通常の価格差は5円弱となっているが、ブランド料などが加算されていることへの反発が販売業者から常に出ている。
 仕切価格の134円に消費税を加算すると141円となり、街道沿いの中心値が145円~146円とすればマージンは4円~5円となり、148円に底上げすればマージン7円が確保できる計算となる。だが、ガソリン販売は5円~6円のマージンではSS経営は赤字となる。都心部では150円台に乗せているSSも多いがマージン10円の確保は難しく、そのマイナス分をタイヤ、オイル、車の整備、カーリースなどの油外収益でカバーする戦略が展開されているが、簡単ではない。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
〒112-0004 東京都文京区後楽2丁目22-3
TEL:03-3814-4728
FAX:03-3814-4745
ユーザーID:
パスワード:
ログインする
e-BISTRADE