2013.07.03 のニュース
ガソリン夏場商戦入り 増販期待で市況立て直し~元売の仕切改定は同一歩調~
ガソリンは、7月の夏場商戦入りで増販期待を強めており、市況立て直しの動きも出てきた。このところ、仕切価格の改定は小幅な変動が続いているが、各社の足並みは揃っている。仕切価格の推移をみると6月8日からが1円/リットルの値上げ、15日からは据置き、22日から50銭の値下げとなったが、29日からは据置きとなり、各社とも同一歩調となっている。これまでは変動幅にバラツキが生じていたが、まったくの横並びとなっている。つまり、原油価格、為替の動き、業転市況の変動が少なく、安定しているとともに、各社の思惑も一致していることになる。そのため首都圏の販売業者の対応も、6月8日からの仕切価格1円値上げを受け安値物の底上げを図り、ボトム価格を148円に引き上げる対策に取り組んでいる。また、公正取引委員会が発表した、ガソリン市場における取引の実態調査結果の中で、業転との価格差、業転玉の取扱いの制限などを指摘しており、このため、市況環境の整備に取り組む動きが出てくると期待できる。
元売各社の4月~6月の業績は悪化している。原油の上昇、為替の円安進行によるコスト増の転嫁が需給の緩和の影響で不発となったことが要因で、この状況に各社とも危機感を強めている。末端のガソリン市況は、小幅であるがようやく値上がりとなってきた。石油情報センターの調査価格(24日)も全国平均で152円/リットルとなり、2週累計で40銭の値上がりとなった。ここで仕切価格は29日から各社据え置きとなり、元売も市況維持に向けた対応をみせている。これにより末端市況は値上がりムードとなっており、安値は底上げとなってきた。
ガソリン販売は7月の夏場商戦入りで増販となるため、今後は需給も締まるものとみられている。製油所が定期修理明けとなり、増産休制となるため一時的には需給の緩和も懸念されるが、例年、この時期は増販によって需給も調整されるている。そのため市況立て直しの動きとなってきた。
また、公正取引委員会が発表したガソリン市場の実態調査結果の中で、業転玉の出回り、業転と系列価格との価格差、系列店に対する業転玉の購入・販売に対して制限していることなどが指摘されたこともあり、流通段階の改善へのムードが出てきており、状況の変化が期待できるようになってきた。
同様に全石連による自民党に対しての働きかけもあるが、公取委が「関係者間での適切な対応を促す」と対応策を説明していることで、まずは元売と販売業者間で、新しい協調関係が確立されるか否かが、今後の焦点となる。