2013.07.23 のニュース
税収5兆6千億円の意味
5兆6千億円。わが国の国民が1年間に石油製品を購入した際に、国や都道府県に収める石油関連諸税と消費税の総額である。内訳(今年度予算)は、ガソリン税が2兆8405億円、石油ガス税が220億円、軽油引取税が9233億円、石油石炭税が6500億円、航空機燃料税が643億円で、計4兆5001億円。これに税抜き売上高と、その売上げに単純併課されているガソリン税や石油石炭税を加えた額に5%の消費税を課すと1兆850億円。消費者は石油製品に限ってみても5兆5851億円の税負担をしている。
軽油引取税は地方税であるため単純比較はできないが、この5兆6千億円がどのくらいの規模かを今年度予算で見込んでいる国税収入(46兆8190億円)で比較すると、石油の消費者は国税のおよそ12%の税を担っていることになるのである。
加えて来年4月に消費税が8%に、その1年半後の15年10月に10%に引き上げられる。さらには同じく来年4月に石油石炭税に上乗せされる地球温暖化対策のための税が㍑0・25円増税となり、16年4月にはさらに0・26円の増税が控える。
石油製品には3年後まで増税が予定され、ガソリン税に消費税を課すタックス・オン・タックスや、一般財源化されたのにいまだ続くガソリン税や軽油引取税の特例課税が続いている。石油業界は長年この解消や廃止を訴えているが、受け入れられないままだ。そのまま続くことになれば、この巨額の税負担がさらに増していくことは確実だ。
このように石油諸税については多重・多段階かつ複雑な仕組みになっているため、なかなか消費者に理解されていないのが実情である。さらには、このじわじわと浸透する増税の手法も巧みなため、消費者の声を集約しての大規模な増税反対運動に発展しないのが現実だ。
だからこそわが石油販売業界は、日常的に接しているお客様に、その実態を知らせ、負担軽減のため税制改正が必要であることを訴えなければならないのである。
さて、参院選が終わり、政治・行政はいよいよ来年度に向けた税制改正や予算要望の季節に入る。我々全国の石油販売業者は、消費者の負担軽減の実現と、これ以上の増税阻止や減税による価格の低廉化によって、石油の需要減に歯止めをかけなければならない。