日刊ニュース

2013.07.30 のニュース

石油の自助・自浄努力の試金石

公取委のガソリン取引調査で、元売が系列特約店に制限を課している業転取引について、その実態を「不適切」と断じたうえで、具体的なルール作りを推奨した。
 かつては需給調整弁で、文字通りの極小スポット市場であったガソリン業転市場。それが、原油高による高値ガソリンの登場、景気停滞による家計の消費節約、この2つが重なってチャンネル移動が発生した。元売側でも、縮小一途の国内市場を前に、作る力と、売る力のギャップが広がり、手っ取り早い売り先として、業転市場を活用した。業転市場が、あくまで余剰玉の処分場となっていたのなら、許容範囲だったかも知れないが、その処分場は、生産計画に含まれる系列と同等の売り先に昇華し、系列並みの売り先として常態化するに至っている。
 供給過剰体質を改め、系列重視、系列外販売の自粛と法外な価格差の縮小を求め続けた系列SSにとっては、「百年河清を俟(ま)つ」が如しの結果となり、振り返る道程には、多くの仲間の廃業の履歴が記されている。廉売を武器としてPBネットワークが拡大し続け、都市郊外から過疎地まで、「悪貨は良貨を駆逐する」法則通りに、地域の系列SSが市場から撤退していった。国内石油流通のどこかに重大な欠陥があるのに、放置してしまったことが惜しまれる。石油業界の自助・自浄努力が不足していたのだ。
 「仕切価格の策定にあたり十分な情報開示や交渉が行われていない」。
 3円、2円、2円、1・5円で4週合計8・5円、消費税込み8・9円強、約9円となるのが、ガソリン業転指標の値動きだ。一方の系列卸は3円、2円、2円、そして先週末は0・5円で4週合計7・5円、消費税込み7・9円弱、約8円の累計値上がり。これがそのまま市場に浸透すれば、業転玉と系列玉との値差は1円縮小することとなる。
 1・53円、2・74円、ゼロ、0・98円で4週合計5・25円、消費税込みで5・51円が、この間の原油の累計値上がりだ。なぜガソリン卸指標は原油見合いで2~3円高となったのだろう。実は、この間にガソリン在庫は219万㌔㍑から199万㌔㍑へ20万㌔㍑、10%の削減・縮小が発生している。在庫の大幅取り崩し、という需給激変が、この2~3円高の主要因だろうが、そんな説明を行った元売社員を我々は知らない。

提供元:全国石油商業組合連合会
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