日刊ニュース

2013.08.30 のニュース

灯油在庫 積み増し急ピッチ 295万kl、前年比で大幅増-灯油先物は値上がりヘ-

灯油在庫の積み増しは、急ピッチで進んでいる。石油連盟の週報では295万キロリットルとなり、前週に比べると15万キロリットルの増加となり、前年に比べると30万キロリットル増となっている。在庫の積み増しは前週が22万キロリットル、今週が15万キロリットルで2週間で37万キロリットルの積み増しとなった。灯油在庫の積み増しは8月から10月にかけて実施となり、そのピークは10月頃となる。昨年も10月末が330万キロリットルでピークとなり、以降在庫を減らして翌年3月末(今年は190万キロリットル)が最少となる。灯油の下期販売は、天候次第となるため見通しは難しいが、基調としては減少が予想されているため、在庫の積み上げを急ぐことはないが、円安で海外からの輸入が難しくなることもあり、国産での供給確保となる。そのために、増産でまず在庫を積み上げることになっているようである。シーズン入りを前にして、東京商品取引所の灯油は値上がり78円/リットルとなり、ガソリンの77円と逆転している。まだ流動的であるが、灯油高の価格体系に移行しつつある。
 灯油在庫は増加しているが、ガソリン在庫は210万キロリットルで前週の横ばいとなっている。8月も猛暑が続き増販となっているが、8月末ともなると販売も落ち込む。在庫は210万キロリットルの横ばいであるが、生産(18~24日)は112万キロリットルで前週に比べて減産となっており、このことから販売(出荷)も110万キロリットルとなり、前週に比べると減少していることになる。前週比で減産、減販である。
 問題は9月以降のガソリン販売の動向となる。7~8月の増販の反動で9月販売が落ち込むことが懸念されている。ガソリン価格も値下がり気味であるが、160円相場となっているためユーザーの節約が予測されている。一気に大幅な減販とはならないにしても、減販傾向が出ると販売業者間に、焦りからの価格競争が展開されることになる。
 そのため灯油は値上がりするがガソリンは値下がりが見込まれており、今後の仕切価格の改定で灯油の値上げ幅が大きくなる公算が強い。灯油も大幅な値上がりとなるとユーザー節約となるため、灯油商戦にも影響か出る。
 灯油在庫が増加すると、シーズン入り前の相場づくりに苦慮するケースも出てくる。在庫を確保しても冷え込みが遅れると、在庫を持ちきれず、安値で売り出ることになり、市場は一気に混乱することになる。低在庫で早い冷え込みを期待することになるが、思惑通りとなるかは、その時の気候次第となる。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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