2013.09.04 のニュース
ガソリン仕切値で価格差 業者間で戸惑いが生じる~週中での仕切改定で調整も~
ガソリンの仕切価格は、31日から9月6日までの適用でJXが据え置きとしたが、他の出光、EMG、昭和シェルが2円50銭/リットルの値上げを通知した。このように大幅な価格差が生じたケースは初めてであるため、販売業者間では戸惑いをみせている。最大手で35%のシェアを持つJXが据え置きとしたが、他社は2円50銭の値上げとなり、ユーザー転嫁で足並みが揃うのか、販売業者の対応が難しくなってきた。仕切価格が2円50銭の値上げとなれば、販売業者が負担できる範囲ではなく、当然、ユーザー転嫁に取り組むことになる。だが、最大手のJXが据え置きとしたことから販売業者の対応は様子を見守るケースも出てくる。仕切価格の改定は31日(土曜日)からの実施ではあるが、ユーザー転嫁は月曜日(2日)以降となるため、今後の末端市況の動向が注目されるが、値上げは難しいとみられている。そのため週中(水曜日)にも、JXが値上げするか、他社が値下げの価格改定を行ない、仕切価格を調整するのではないかとの見方も出ている。
JXが据え置き、他社が2円50銭/リットルの値上げとなった。需給が逼迫している状況であれば、ユーザー転嫁の動きも出るが、現在は、末端市況は値下がり、業転市況も値下がり気味であるため、ユーザー転嫁は難しい。そのため週中でも仕切価格の改定(値下げか、値上げ)が実施されるとの見方も出ているが、仕切価格に価格差がついたまま経過することになると、JX系以外の販売業者からは価格差の是正を求める要詰が出る。週中でJXが値上げするか、他社が値下げすることになるのか、それとも次週で仕切価格を調整することになるのか注目される。
今回、仕切価格の改定で価格差が出たのは、足元の状況認識によるものとみられる。JXは業転市況が軟化気味であるのと、末端市況は下落傾向にあるとの市況実勢からみて据え置きとしたものとみられる。
一方、出光、EMG、昭和シェルは、原油価格がシリア情勢不安から値上がり基調にあり、コスト高になるとみて仕切価格の値上げに踏み切り、同時に業転市況の値上がりを見込んだものである。コスト高を先取りしたことに加え、市況下落に歯止めをかける思惑を織り込んだ結果、値上げとなった。販売業者も値上げと予想していたが、JXが据え置きとの方針を打ち出したことで、販売業者は混迷している。
JX系のSS(販売業者)が、仕切価格が据え置きであってもユーザー転嫁に取り組むことになれば、足並みが揃うが、実際は難しいとみられる。