2013.09.04 のニュース
26年度予算要求は大幅増額-折衝で削減もあるが、大枠は確保-
平成26年度の概算要求が決まった。石油・天然ガス関連予算は3141億円で、25年度の2679億円に比べると462億円の増額となった。また、財政投融資枠が577億円(25年度は539億円)で38億円の増額となっている。要求では大幅な増加となっているが、これからの財務省との折衝で、削減幅をどこまで食い止められるかがカギとなる。
その他、資源・燃料関係の要求では、石炭が174億円、同財投が138億円、鉱物資源が197億円、同財投が288億円、国内海洋エネが368億円、地熱が169億円、同財投が150億円で、総計は3681億円で549億円の増額、同財投計が1153億円で1億円の微減。
予算規模を大枠で見ると、①石油・天然ガスの開発関係では1103億円(25年度は902億円)で201億円の増額、財投が500億円(510億円)、②石油精製備蓄・流通関係は2008億円(1727億円)で281億円の増額、財投が77億円(29億円)となっているが、うち石油の国家備蓄(原油、製品)の体制強化で1062億円、LPGの国家備蓄の推進で443億円の計約1500億円を占めている。残るは災害対応に向けた製油所、油槽所の設備強化で105億円(51億円)を要求、非常時用の3点セットである発電機、通信機器、ドラム缶の充填設備を導入する。新規では、地域・資本の壁をこえた石油コンビナートの連係強化で35億円を要求している。
SSの維持・強化では72億円(25年度は47億円)、SS経営基盤の強化支援で28億円(12億円)、災害など様々なリスクに対応しての強靭なサプライチェーンの維持・強化を図ることで予算を計上している。
石油・天然ガス関係では、JOGMECを通じて行なう探鉱・資産買収等の出資金で620億円(25年度は465億円)、天然ガスの資産買収(財投枠)で500億円(510億円)、メタンハイドレート開発で127億円(87億円)、国内の基礎調査で155億円(172億円)となっている。基礎調査は減額となっているが、今年度は佐渡南西沖を掘削したためである。また、海外でリスクが高く、探鉱に踏み切れない未探鉱での地質構造調査の実施で20億円(16億円)を要求している。
このように基本的には25年度(今年度)予算を踏襲しており、さらに新規項目を追加している。予算要求の背景となるエネルギー政策は、原発停止の影響から、石油、LPG、天然ガスの安定供給確保の重要性が再認識されたこともあって、予算要求は増額となっている。
エネルギー基本計画の見直しの議論は、民主党政権が策定を急いだものの最終的には取りまとめるまでに至らなかった。昨年末の総選挙で自民党政権に交代となったことから白紙となり、現在、新体制の総合エネ調で審議中であり年内には取りまとめる。本来は新しいエネルギー基本計画を待って予算要求となるが、すでに総合エネ調でも、最近のエネルギー情勢などを事務局(経産省)から説明を受けており、産構審での審議を終えていることもあって公明党、自民党産業部会に予算要求を説明して了承を得ている。最終的には年末の政府案での決定を待つことになり、削減されることもあるが、大枠はほぼ決まったことになる。