2013.09.27 のニュース
総合エネ調 新エネ産業構造の形成 水平展開型企業への転換~従来の縦割りを改革~
総合資源エネルギー調査会基本政策分科会(第5回会合)は、24日に省内で開催され①電力システム改革後の電力産業の姿、②天然ガスサプライチェーンのあり方及びガスシステム改革、③新たなエネルギー産業構造の展望について審議した。うち新たなエネルギー産業構造については、電カ・ガス産業は規制緩和の結果、相互参入の動きがみられるが、大きな構造変化に至っていない。石油産業も規制緩和、需要減少により国内の再編成が進んでいるが、事業別法制、運用権などの条件からエネルギー産業は電力、ガス、石油、LPGなどの分野ごとが縦割り構造の特徴を残しているため、日本が持つエネルギー課題を克服し、3E十Sを実現する新たな産業構造の形成を目指すことになる。そのためには、拡大するアジア市場での日本のエネルギー産業の国際競争力、安全供給、効率性などを発揮していくための方策を審議する。現状の縦割りにとどまらず、水平的なエネルギー産業構造への転換、資源の共同調達のための新しい提携、統合の調達力の強化などをあげている。
新たなエネルギー産業構造を審議するにあたって「安全」「安定供給」「効率性」「国際競争力」のフェーズごとに論点をあげている。
「安全」では、
◎現状の縦割り型の構造にとどまらず、分野が統合された水平的なエネルギー産業構造への転換が想定され、事業者間で水平的・垂直的に新しい連携・統合等が進むことが見込まれる中、安全規制のあり方はどのようにあるべきか。
「安定供給」では、
◎資源調達の安定性を強化するよう、共同調達のためのエネルギー事業者間の新しい連携・統合等による調達力強化は実現できるか。
◎競争環境においても有事において供給活動を維持できる、供給能力の「裕度」をエネルギー産業全体としてどのように確保していくか。
◎国内市場のみに目を向けるのではなく、アジアなど国外でもエネルギー事業を展開することで事業リスクを分散、安定した経営基盤を確保し、安定供給を図ることは可能か。
◎エネルギー源の利用用途を拡大することで、有事にエネルギー源間でバックアップできるようなエネルギー源構成を形成できるか。
「効率性」では、
◎分野横断的な事業展開によって、独占・寡占の弊害ではなく、公正な市場ルールの下、より効串的なビジネス・モデルを持つ事業者による産業全体の効率化を促進する効果をもたらすことはできるか。
◎共同調達のための事業者間の新しい連携・統合等によって、バイイング・パワーを強化して資源調達コストの低減につなげられるか。
「国際競争力」では、
◎比較優位を持つとされる先端設備・機器や高効率火力発電、原子力のベンダーが、より国際市場で競争力を発揮していくことができるために取り組んでいくべき課題は何か。
◎地域で優れた分散型エネルギー需給構造を構築・管理することに成功した中小事業者を含めたエネルギーマネジメント事業者が国際的に展開していくことは可能か。
◎エネルギー・インフラを、ハードのみでなくソフトも含めて輸出していくために重要な役割を担うことになる、国際的に評価を得られるオペレーターを生み出す産業構造の条件とは何か。政策的支援によって生み出していくことは可能か。