日刊ニュース

2013.10.01 のニュース

混乱が怖い総額160円、税抜152円

 年度の半分、暦年では4分の3が過ぎた。あす10月1日からは、消費税の総額表示義務が、中途の特例期限に入る。「消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法」により、2017年3月末まで、「現に表示する価格が税込価格であると誤認されないための措置」を講じた場合は、「税込価格を表示(総額表示)しなくてもよい」という期間に入るのだ。「誤認されないための措置」の具体例として掲げられたガイドラインによると、「税抜き152円」というガソリン価格表示が可能になる。
 「なお、消費者の方々にも配慮する観点から、この特例の適用を受ける事業者は、できるだけ速やかに「税込価格」を表示するよう努めること」とされている。さらに、3年半後に総額表示への回復が求められることとなり、電光掲示板やPOSなどの変更に要する一過性の諸費用を勘案すると、税抜き表示はSSのコスト高を招く。したがって、現状のままにすることが賢明な策といえるが、高値による買い控え症状を訴える声が日増しに強まる中、あす以降のSS価格表示は真っ二つに割れるであろうことは想像に難くない。特に安値量販SS、PBなどは、税抜き表示に走りやすいだろう。
 ガソリン表示が160円主流の地域で、税込み価格はほぼ同値でも税抜き152円、総額156円は税抜き149円へ、総額146円は税抜き139円という表示が可能となるから、それによって混乱、競争激化となる恐れが強い。特に懸念されるのが、お客様の混乱を招く事態だ。
 「総額160円SS」と「税抜き152円SS」が並列する幹線で、廉価に見えるから「税抜き152円SS」で給油したが、その期待値を裏切る結果となってしまう。当然といえば当然の帰結だが、お客様全体が、SS業に向ける心証を害してしまう結果となることが恐ろしい。
 他の小売業とは異なり、SSの顧客は、商品をその手に取り、じっくりと価額を検証する訳ではない。多くの一見客は、時速50㌔で走行しながら、瞬時に価値判断してSSに来店する。「会員」あり「プリカ」ありで、平時でも混乱を誘発しやすいのがSSの現状である。そうした特性を鑑み、SS価格表示はこの際、一見客向けの総額表示「一本」に絞ることが好ましい消費者行政だ。

提供元:全国石油商業組合連合会
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