日刊ニュース

2013.10.24 のニュース

業転問題、元売の回答待つが-増税反対決起大会前には手打ちを-

 ガソリンの業転問題についてエネ庁が元売からヒアリングすることになり、決着を目指すことになるが、落し所はみえていない。ヒアリングの結果は11月13日の自民党・石油流通問題議連の会合に報告されるが、ここで了解がつくことになれば、翌日の14日には石連・全石連の石油増税反対決起大会(キャピトル東急)で手打ちという段取りとなる。
 だが、増税反対と業転問題は、石油業界では関心事であるが、政策問題と商取引とは、全く別問題であり、業転問題を優先して詰めるべきとの意見もある。心情的には元売と販売業者が双方で了解をとりつけて、その後の増税反対決起大会に臨むことが段取りとしては良策となる。
 業転問題については、公取委が元売に対して業転の購入・販売で一定のルール策定を求める改善案を求めているが、元売サイドはこの業転購入を容認するルールづくりには反対をしている。一方、エネ庁は、①特約店が業転を扱っても直ちに取引停止としない、②透明性を確保するため流通証明書(供給ルート)を添付する、などの調整案となる通達を出しており、元売に回答を求めている。
 元売が了解しても、販売業者が要望している業転との価格差が縮小されなければ、問題は解決されない。JXはブランド料の1円/リットル引き下げで対応しているが、足元の取引実態からみると価格差は拡大しているため、販売業者がここは我慢して一時休戦ということで手打ちも予想されるが、まずは元売のヒアリングの結果を待つことになる。
 また、元売が12日から実施したガソリン仕切価格の3円40銭~4円/リットル値上げの説明を求めている。今回の仕切価格の改定は、直前の原油価格、為替が変動が少なく、値下がりか、据え置きが見込まれていた状況下での大幅値上げとなった。販売業者も戸惑い、ユーザーからの反発が出たこともあり、元売の説明を求めることになったもの。
 この大幅な仕切価格の値上げを受けて、販売業者も即ユーザー転嫁に取り組んだが、仕切価格の値上がりに比べて業転の値上がりは遅れており、業転との価格差問題を議論している最中に、逆に拡大する状況となっている。この状況が一時的であるのか、時間をかけてみないとハッキリしない。いずれは業転か仕切価格のどちらかに収斂することになるが、その際に価格差がどの程度の幅に落ち着くのかがポイントとなる。
 価格差を縮小するために、JXはブランド料を先行して引き下げることで対応している。だが、12日からの仕切価格の大幅値上げで、業転との価格差が拡大したため、ブランド料の引き下げ分は調整されたことになり、逆に価格差が拡大する結果となっている。
 販売業者は業転の購入を求めているのではなく、本音は業転との価格差をなくすことが要望事項であるため、この点で納得できる状況にならないと決着しない。ブランド料を引き下げ、さらに業転が値上がりすることが理想である。だが、業転が値上がりするには、元売の販売方針の転換、需給タイトの状況が必要となるなど設備過剰問題まで絡んでくる。業転が20%を占めている現状であり、販売減が続く状況下では、元売が意識してコントロールしないと業転は値上がりしない。

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