日刊ニュース

2013.11.08 のニュース

石油事業 在庫影響除きでは赤字-市況低迷によるマージン減が響く-

 元売の平成25年度上期決算が発表されたが、コアである石油事業は市況低迷によりマージンの低下、為替の円安で在庫評価益が発生、これを相殺すると在庫影響除きではコスモ、JXは赤字となった。
 コスモの上期の石油事業は、経常損失が106億円(前年は377億円の損失)、在庫評価益が62億円(在庫評価損が170億円)あり、これを相殺した在庫評価影響除きでは170億円の損失(207億円の損失)となった。コスモの場合は、千葉製油所が事故により操業を停止しており、7月から本格操業を開始したが、その間の代替供給コスト増などの影響で赤字となった。下期は、坂出の閉鎖(7月)による3製油所体制(千葉、四日市、堺)でのフル稼働と、販売部門の収益改善で増益が見込まれている。通期見通しでは、35億円の損失、在庫影響除きで105億円の損失としている。
 出光は、石油製品の営業利益は245億円(51億円)で在庫評価益が159億円あり、在庫影響除きで86億円の利益(156億円の利益)となった。通期では営業利益460億円、在庫影響除きで210億円の利益を見通している。
 JXの石油事業は、在庫影響除きでは経常損失が126億円(239億円の利益)で365億円の減とな
った。通期では在庫影響除きの経常利益は190億円(570億円))で380億円減を見込んでいる。上期
の原油価格はドバイで平均104ドル/バーレルとなり前年比で2ドル安、為替は99円/ドルで20円の円安となり、円/キロリットル換算ではコスト増となり、在庫評価益が発生した。石油事業では在庫影響除きで大幅減益となったが、石油化学が好調であったのと、石油開発が原油高、円安で利益を確保したことでカバーしたことになる。
 各社別の決算をみると、コスモは連結経常利益184億円となり、前年は217億円の損失であったため401億円の改善となった。円安による在庫評価益が64億円あり、これを相殺すると経常利益は120億
円(45億円の損失)、前年比では165億円の改善となる。セグメント別では石油事業が106億円の経常損失となったが、石油化学で26億円、石油開発で228億円、その他で36億円の利益計上となった。
 出光の連結営業利益は514億円(前年は279億円)で235億円の増、在庫影響除きでは353億円(395億円)で43億円の減、セグメント別では石油製品が245億円、石油化学が222億円、資源が71億円(石油開発が119億円であるが石炭が48億円の損失)となっている。通期では営業利益880億円、セグメント別では、石油製品が460億円、石油化学が320億円、資源が130億円と見込んでいる。
 JXHDの連結経常利益は1761億円(796億円)で965億円の増。セグメント別ではエネルギー事業が914億円(91億円の損失)となるが、在庫影響除きでは292億円(337億円)となった。うち石油事業が126億円の損失、石油化学が418億円の利益となっている。その他、石油・天然ガスが531億円、金属が196億円となっている。通期の経常利益は3000億円(3350億円)、セグメント別ではエネルギー事業が1320億円、在庫影響除きで石油製品が190億円、石油化学が750億円、石油・天然ガスが910億円、金属が440億円となっている。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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