日刊ニュース

2013.11.13 のニュース

上期の石油開発業界は好決算-大幅な円安と原油高で利益確保-

 平成25年度上期の石油開発業界、元売の石油開発事業の決算が発表となった。前年に比べると、原油価格はブレントで106.50ドル(前年同期は109.20ドル)で2.7ドルの値下がりとなったが、為替が約99円/ドル(79円/ドル)で20円の大幅な円安となったことで好決算となった。国内の原油CIF価格は、円/キロリットル換算では6万7000円で約7000円の値上がりとなり、販売単価の値上がりによって利益を確保した。石油開発の場合は、原油高、円安は、そのまま増益として反映する。
 国際石油開発帝石の上期の営業利益は3442億円で1.8%増、経常利益は3506億円で3.6%減、法人税等が2700億円となり純利益は800億円となる。昨年に比べると313億円の減益となったが、昨年はイクシスプロジェクトの権益の売却益があり、純利益が1113億円で、前年比369億円の増益を計上したことによる反動である。通期予想は下期の原油価格(ブレント)を100ドル/バーレル、為替を95円/ドルを前提に純利益は1530億円を見込み、予想の1420億円に比べると110億円の増益となる。
 石油資源開発は、上期の売上高が1203億円で143億円増、経常利益は199億円(前年は31億円)で前年比で168億円の増益、純利益は159億円(244億円の損失)となり、前年が損失であっため、403億円の改善(増益)となった。前年上期は、勇払ガス田の生産減により操業に係わる事業資産の減損(370億円)を計上した。今年の上期は、原油、天然ガスの販売は減少したが、為替が大きく円安に振れたことで販売価格が上昇したため増収、増益となった。決算発表前の10月末には純利益159億円と、すでに上方修正を発表している。通期見通しでは、経常利益は288億円、純利益は215億円を見込んでいる。なお、すでに生産を開始しているイラク・ガラフ油田(性状はAPIで24~36度)の原油は、バラスより南部にあるウムカルス港から明年1月ごろに日本に輸入される予定である。
 元売のセグメント別で石油開発事業をみると、JXの経常利益は531億円(前年は581億円)で51億円減となった。円安による増益はあるものの、生産がI1万バーレル/日で前年比で1万バーレル/日の減産となったのと、油価の下落の影響で小幅な減益となった。通期では910億円と予測の850億円に比べ60億円の増益を見込んでいる。下期の原油価格(ドバイ)は100ドル/バーレル、為替は95円/ドルを前提としている。
 出光の石油資源事業の営業利益は119億円(前年は186億円)で67億円減となった。通期は210億円で8月予測の190億円より20億円増を見込んでいる。
 コスモの石油開発事業の経常利益は228億円(242億円)で14億円の減となっている。アブダピ石油の生産減による販売減が影響した。通期は505億円を見込んでおり、予想の555億円に比べると50億円の減となっているが、下期は上期の利益を据え置きと見込んでいる。石油事業は通期も赤字を見込んでいるが、石油開発事業の黒字で連結の経常利益は540億円(在庫影響除きでは470億円)となる見通しである。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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