2013.11.14 のニュース
ガソリン市況は混迷 仕切格差拡大で下落強まる ~業者、マージン減で経営難に~
最近のガソリンの仕切価格改定は、JXが10月中旬から4週間にわたり据え置きとなっているが、他社は最大で5円の値下がりとなるなど価格差が開いている。そのため、販売業者は市況対策に苦慮しているが、下落傾向が続きそうである。石油情報センター調査(5日)の平均価格は159円となり、前週比で1円の値下がり、東京は159円70銭と160円を割り、神奈川は156円70銭と1円の値下がり、千葉、埼玉は154円台と値下がりしてきた。街道沿いは153円か中心値となり、安値は150円の攻防となっている。セルフは150円を割り込み、量販店は145円以下も散見する。JXの仕切ペースでは市況維持に努めることになるが、他社との価格差が拡大しているため、値下げ圧力がかかっている。業転、先物市況はガソリン安(73~74円/リットル)の灯油高(80円)の体系に移行しており、ガソリンの市況維持は難しい状況にある。今後は灯油の増販、増益に期待しているが、下期で業績を回復するにはガソリンの市況立て直しがポイントとなる。
ガソリンの下落は、9~10月に台風が到来して天候不順となり、販売減となったことが要因となっている。7~8月が猛暑で増販となったが、9月以降は減販となっている。在庫は190万キロリットルを割る低水準であり、需給はタイトであるが、業転、先物市況は低迷しており、仕切価格が値下がりしているため末端市況も下落している。
ここにきて関東地区も冷え込み、灯油の荷動きが活発化してきた。北海道ではすでに雪が降るなど、今年は冷え込みが早いようで、灯油商戦に期待をかける方向にある。だが、灯油商戦は寒冷地に限られており、都市部ではガソリンの値取りができないとSS経営は難しい。灯油がシーズン入りとなり値上がりすると、ガソリン価格は値下がりするが、都市部のSSは、灯油を販売しないケースも多く、苦戦を強いられる。
今年は、軽油の輸出が円安効果で好調であり、国内の業転も値上がりしてきた。軽油は海外市況も割高となり、マージンが確保でき、輸出増となっている。海外高を反映して国内価格が値上がりしてきたもので、灯油と同値で推移しでいる。
元売サイドはガソリン安を灯油、軽油でカバーしていることになるが、SS業者はガソリン販売が中心であり、減販で市況が下落してマージン減となると一気に経営難となる。10~11月は秋の行楽シーズンでガソリン増販を期待したが、冷え込みが早く、秋を通り越して一気に冬となっており、灯油の販売がない都市部のSSは苦戦となる。