2013.12.04 のニュース
仕切価格の改定方針に不満-業者の予想上回る値上げ幅に-
ガソリンの仕切価格は、30日から2円20銭/リットル(出光)~4円(EMG)の値上げとなった。値上げに大幅な価格差がついたため、販売業者は元売の仕切価格の打ち出しに戸惑いをみせている。前週は20銭~50銭の小幅値上げとなっており、連続値上げとなっているため、販売業者はユーザー転嫁に取り組むことになるか、元売の仕切価格の改定方針には、現在、業転との価格差問題をかかえていることもあり、反発を強めている。
原油価格(ドバイ)は108~109ドル/バーレルへと値上がり、為替が102円/ドルと円安に転じているため仕切価格の値上がりは予想されたが、それでも4円値上げは大幅であり予想外となる。値上げ幅については、各社とも、その根拠を説明していないため販売業者から不満が出ているが、週決めであるため時間的にも余裕がなく即転嫁実施となっている。
最近では元売の仕切価格の打ち出し策は、従来からみると変則的な値上げが実施されており、販売業者の思惑とは乖離したケースが多くなっている。仕切価格改定は、直近のコスト(原油、為替)の変動を基調にしているが、その他、先行きの見通し、他社の動き、業転の動向など総合的に判断して打ち出されている。
そのためか、市況の値下がりが続くと、仕切価格の値下げよりも先取りして値下がりとなるため、元売、販売業者は、ある程度の期間が経過すると、未達分をまとめて値上げする局面が出てくる。今回の仕切価格の値上げは、12月商戦入りで増販が期待される時期であるため、これまでの値下がり分を加算したものとなっている。そのため透明で公平な価格体系として実施している市場連動の週決め制の仕切価格改定とは違った方向にあり、販売業者からは不満が出ている。一方、元売は仕切価格の値上げを打ち出しても未達となるケースがあり、この未達分を回収しないと赤字が続くため、清算する時期が来たとみて値戻し値上げとなっている。そのため業転問題を絡めて現行方式を見直しするとの見方もあるが、今のところ新方針の打ち出しには至っていない。