日刊ニュース

2013.12.05 のニュース

12月商戦本格化 ガソリン、灯油に増販期待~市況立て直し、マージン増狙う~

ガソリン、灯油は12月商戦入りとなり、販売業者は増販期待を強めている。ガソリン販売は8月に次ぐ販売数量が見込まれており、灯油は一年間で一番増販が期待できる月である。燃料油全体では販売数量が多い月となるため、元売サイドも市況立て直し、マージン増加を狙い、赤字からの脱却を図る。そのためガソリンの仕切価格も11月30日から2~4円/リットルの値上げを打ち出しており、完全値取りを狙う。販売業者も10月から下落分の回収と仕切価格の値上げを加算して一気に6~7円の値上げに取り組む。首都圏の街道沿いではボトム155~157円を狙うが、今週がヤマ場となる。まず安値物の底上げを狙うが、販売業者の足並みが揃うものとみられる。灯油はこれから本格的な需要期入りとなり、値上げも見込まれるが、市況は堅調で推移しそうである。
 昨年12月のガソリン販売は、516万キロリットルで前年比2.3%の減、灯油は338万キロリットルで4.7%の増となっている。
 最近のガソリン販売は9月が2.5%減、10月が3.4%減となり、2~3%減が続いている。省燃費車の普及に加え、ガソリン価格が夏には160円/リットル台に乗せたこともあり、節約も浸透したようである。
 しかし、10月に入って値下がり、150円/リットルの攻防となり、街道沿いではボトム価格は150円割れの148~149円に値下がりしている。
 今回の仕切価格の値上げを機に、一気に155~157円に引き上げる方針であり、これを機に適正マージンを確保することになる。また、様子をみている地区もあるが、為替が103円/ドルと円安によるコスト増となっており、仕切価格の連続値上げも見込まれるため、早期にユーザー転嫁の達成を狙う。
 石連週報の出荷(11月17日~23日)によると、ガソリンは104万キロリットルと5週間ぶりに100万キロリットル台乗せとなったことで、今後の増販が期待できる。
 灯油シーズンは早い冷え込みで増販期待が強まっている。昨年11月が冷え込みにより前年比23%の大幅な増販となった反動で、今年は減販となっているが、好調な出足となっている。ここにきて関東地区では好天気が続き、気温も高いが、在庫も300万キロリットル程度で推移している。
 12月に入り、これからシーズン本番となり、在庫も取り崩しとなるが、需給面ではバランスを保っている。
 例年、灯油は12月で値上がりしており、すでに「灯油高のガソリン安」の体系で推移しているが、一段の値上がりを見込まれている。末端市況は100円/リットル相場から110円相場となり、18リットルでは2000円台となっているため、節約も心配されているが、堅調で推移しそうである。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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