日刊ニュース

2013.12.11 のニュース

総合エネ調 石油は重要なエネルギー源 国内供給網の強靭化を図る

 総合エネルギー調査会基本政策分科会は、6日に開催され、エネルギー基本計画に対する意見の骨子(案)がまとまった。
 エネルギー基本計画は、①年内にとりまとめる、②原発は再稼働を認めるが、エネルギーミックス数値を提示しないことになり、その方針に沿ってまとめられる。
 各エネルギー源の位置付けについては、原発再稼働、再エネ導入の進捗の度合い等を見極めつつ、速やかに実現可能なエネルギーミックスを提示する。
①石油については、国内需要は減少傾向にあるものの、利用用途の広さ(発電、運輸燃料等)や利便性の高さ(可搬性、インフラの充実等)から、今後とも活用していく重要なエネルギー源と考える。
②天然ガスについては、シェール革命により競争的に価格が決定されるようになっていくことなどを通じて天然ガスシフトが進み、今後役割を拡大していく重要なエネルギー源である。
③石炭については、安定性・経済性に優れたベース電源であり、環境負荷を低減しつつ(高効率火力発電技術の利用等)活用していくエネルギー源である。
④LPガスについては、シェール革命を受けて北米からの調達も始まり、温室効果ガス排出も比較的少なく、有事に貢献できるグリーンなガス体のエネルギー源として活用する。
⑤再エネ(太陽光、風力、地熱、水力、バイオマス・バイオ燃料)については、安定供給面、コスト面で様々な課題が存在するが、温室効果ガス排出のない有望な国産エネルギー源である。
 新たなエネルギー需給構造の実現に向けた具体的な取組みとしては、本エネルギー基本計画は、中長期(今後20年程度)のエネルギー需給構造を視野に、電力システム改革等が完了する2018年~2020年までを集中改革期間と位置づけて、政策の方向を明示するものであるが、原子力政策の基本方針と政策の方向性については、事故の発生を防げなかったことを真摯に反省し、福島の再生に全力を挙げる。また廃炉・汚染水対策は前例のない困難な事業であり、我が国が前面に出る取組みを一層強化し、国内外の叡智を結集して予防的かつ重層的な取組を実施する。
 生産(調達)/流通段階においては、国内エネルギー供給網の強靭化(石油・LPガス・天然ガス・電力)を図る。
▽産油国・周辺国との連携も含めた石油・LPガス備蓄体制・危機管理の強化
▽石油コンビナート・SS・LPガス充填所の災害対応力強化や、関係省庁間の連携による緊急時対応制度の整備・訓練体制の確立、重要需要家(病院等)による備蓄の充実
▽天然ガス基地・パイプラインや送電インフラ等のエネルギー供給基盤の充実
▽自治体との連携を含む地域政策として、過疎地のSS等の燃料供給機能を維持
 更に、石油・LPガス産業の市場構造・事業基盤の再構築を図る。
▽ガソリン等の需要の構造的な減少に対応するため、資本の壁を超えたコンビナート事業再編・設備最適化、石油化学や電力等他事業分野への進出強化等による石油産業の経営基盤・競争力の強化
▽SSやLPガス事業者の経営基盤・事業多様化や、公正・透明な取引構造の確立
 消費段階においては、需要家の選択肢の拡大を通じた、効率的な供給構造を生み出すスマートで柔軟な消費活動の実現を目指す。
 経済成長への貢献を果たすには、市場統合を通じた総合エネルギー企業等の創出を図る。
 国際戦略の展開としては、エネルギーの国際協力体制の拡大・深化を図ると同時に、エネルギー産業の国際展開の強化を図る。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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