日刊ニュース

2013.12.18 のニュース

ガソリン 値上げに再挑戦 元売は市中買いに出る~安値業転の値上げを狙う~

ガソリンの仕切価格は14日から1~2円/リットルの値上げとなった。4週連続となり、累計すると5円程度の値上げとなる。一方、末端市況は下落が続いていたのと、仕切価格は小刻み値上げであったためユーザー転嫁が遅れている。今回の値上げを機に、再度、ユーザー転嫁に取り組む方向となっている。すでに街道沿いSSではボトム156円を目標に取り組むことになっており、一部では転嫁が浸透しているものの大勢は遅れている。年末商戦ということで増販狙いとなっているため販売業者間での牽制が続き、150円割れも散見している。HC、量販店などが安値で販売しているが、業転市況が低迷しているためであり、元売サイドでは市中買いに出ることで業転の値上げを狙う。各社は販売減に対抗して減産で臨んでいるが、予想以上に減販となっており、在庫も低水準であるが、供給増という状況となっている。そのため市中から業転玉を買うことで需給バランスを保ち、業転の値上げを狙うことにしている。いずれにしても今週がユーザー転嫁のヤマ場となる。
 ガソリンの仕切価格は連続して値上げとなっている。累計で5円の値上げとなっているが、末端市況の値上げは遅れている。とくに業転市況は低迷しており、原油CIF価格が70円/リットルであるのに対しガソリンの業転は74~75円と低迷している。最近76~77円と値上がりしているが、これでは精製コストも出ずに赤字であり、灯油の83~85円に比べればガソリン安が目立っている。そのため元売も業績回復に危機感を強めている。上期の赤字を下期で黒字に転換する方針は難しい状況となってきた。
 これから年末商戦の最盛期となり増販が見込まれるが、コスト回収が難しい低価格での販売が続くことで、赤字が解消できないまま越年する懸念も出てきた。
 販売業者も秋以降は減販と市況下落でSS経営が苦しくなっている。年末商戦に増販を期待しており、増収、増益を狙っているが、仕切価格の値上がり分を転嫁できずに、このまま越年することは避けて、年末、新年で市況を立直しすることで利益を確保する動きを見込んでいる。
 街道沿いではボトム価格156~157円と狙っているが、今週にも値上げを達成しないと21日から3連休となり、そのまま年末となるため、空振りに終わる公算が強い。そのため元売も直ちに市中買いに出るものとみられ、業転も値上がりが見込まれる。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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