2013.12.25 のニュース
エネ研-14年度見通し-軽油、復興需要一巡で微減 電力用C重油は大幅減を見込む
エネルギー経済研究所は、2014年度の石油需要、原油価格の見通しを発表した。原油価格はブレントで平均105ドル/バーレル前後(WTIは95ドル前後)と見通している。昨年も同水準に見通しとなっており、今年1~12月の平均は109ドル(WTIは98ドル)で推移しているが、14年度の需給は緩やかに緩和に向かうと見ている。
国内の燃料油販売は1億8490万キロリットルで、13年度見込みの1億9640万キロリットル(前年比0.6%減)に比べ5.8%減を見込んでいる。14年度は原発の再稼動に伴う電力用C重油の大幅減少、燃料転換、自動車の燃費改善、省エネルギーの推進で減販となり、28年ぶりに1億9000万キロリットルを割る。
13年度の見通し(上期は実績)では、4年ぶり減少(0.6%減)する。12年度は福島原発事故の影響により石油火力が復活、電力用C重油が大幅に増加(前年比31%増)したため、他油種のマイナス分をカバーして増加となった。しかし、13年度に入り、原発は停止しているものの、LNG、石炭火力へのシフトが進み、割高であるC重油は大幅に減少している。上期の燃料油販売は2.8%減、C重油は30%減となっており、ナフサ、軽油、ジェット燃料は増加が見込まれている。
14年度販売を油種別でみるとガソリンは1.2%減(13年度見通しは0.2%減)となっている。今年度の上期は猛暑の影響で微増となったが、下期以降は減販が続いている。13年度通期では相殺され、0.2%の微減に止まる見込みとなっているが、足元は高値感による節約志向で減販が強まると懸念されている。
14年度は軽自動車の普及、燃費改善で1.4%減となり、販売数量は5500万キロリットル台となり、16年前の水準に戻る。
ナフサ販売は、唯一増加となっており、0.3%増を見込んでいるが、石化原料用であるため、需給面での影響は少ない。
灯油は2.7%減(13年度は3%減)で、電気・ガスヘの燃料転換が今後も続くことになる。13年度も、シーズンに入った11月販売は、前年の増販の反動で減販となっており、12月以降の販売が期待されているが、天候次第の要因もあり販売価格が100円/リットルを超えたため節約による減販も心配されている。
軽油販売は0.8%減を見込んでいる。13年度は復興需要で0.9%の増加となるが、これも一巡するのと、ディーゼル車の保有台数の減少でマイナスを見込んでいる。ただ、景気が回復することで輸送量が増加すれば増販も期待できる。
C重油は38%減(13年度は9.7%減)を見込んでいる。うち電力用は830万キロリットルで53%減(9%減)と大幅減となる。それでも震災前の10年度の770万キロリットルを上回るが、増販は一過性の現象となりそうである。上期の10電力の重油受入は511万キロリットルで35%減、10月は87万キロリットルで31%減と大幅減が続いている。