2014.01.08 のニュース
ガソリン転嫁は遅れる 仕切値上げも様子をみる-増販期待も収益が伸びず-
ガソリンの仕切価格は昨年最後の12月28日から1月10日適用で1円10銭/リットル(JX)~2円10銭(昭和シェル)の値上げとなった。しかし、EMGが据え置き(外販は2円値上げ)としたこともあり、ユーザー転嫁は見送りとなったようである。年末年始商戦は、販売業者も増販、増益を期待しているため市況維持が精一杯ということになった。首都圏の街道沿いはボトム価格155~156円/リットルを狙ったが、152~153円か中心値となっており、目標を下回っている。安値は150円台に乗せたが、セルフは150円割れの140円台が残っている。仕切価格は11月中旬から連続して値上げとなり、累計では6円程度の値上げとなっているが、これに対してユーザー転嫁は遅れている。年明けから再取組みとなるが、今後の原油価格、為替動向が注目される。原油価格は高止まり、為替は104~105/ドルと円安に転じており、円安によるコスト増での値上げが見込まれている。年末年始は、全国的にみると北日本は冷え込み雪となったが、東日本は好天気に恵まれ、ガソリン販売数量は確保できたようである。
ガソリンの仕切価格は11月中旬から連続値上がりしているが、ユーザー転嫁は大幅に遅れており、販売業者は未達分か増加して厳しい状況にある。
ガソリンの販売は、昨年11月は微増となったが12月はマイナスとなったようである。省燃費車の普及、人口の減少、高値による消費節約で基調として下期はマイナスが続くとの見通しとなっている。今後、減販傾向が続くとなると、マージン確保がポイントとなるため、年明け早々からユーザー転嫁が必要となる。
しかし、年末、年始は、増販狙いで市況維持となっているのと、次の11日~13日の3連休もあり、ここでの増販を期待するとユーザー転嫁は難しい。連休のため休みが長く、街道沿いSSでは増販のチャンスとなるが、都心部のSSは会社関係が長い休みとなるため減販となり、明暗を分けることになる。
今後の景気動向は、株価がアメリカ、日本で値上がり、原油価格も高止まり、為替も円安に転じており、順調な回復が見込まれている。今後の動向が注目されているが、コスト高が懸念されている。
年初の東商取の先物は原油が68円、ガソリンが79円、灯油が83円となっており、年末に比べると値下がりとなっているが、依然として高値基調である。