2014.01.22 のニュース
業転問題で議員立法へと方向転換-公正な取引を求め、自民党流通議連が検討-
ガソリン業転問題の解決策として、流通の公正な取引を求めて、自民党が議員立法で対応する動きが具体化してきた。この業転問題は、自民党流通問題議連で審議され、公取委の実態調査を経て報告がまとめられ、これを受けてエネ庁から①業転の扱いで一定のルールを策定する、②流通証明を添付する、との通達が出され、昨年末には流通証明書の添付が決まり運用となった。だが、業転の扱いを認めるルールづくりは難航し、依然として業転と系列仕切との価格差が拡大しているとの指摘もあり、議員立法で法律を成立させて対応することになったもの。議員連盟の中間報告でも、業転問題が解決しない場合は議員立法で対応するとの方針が打ち出されており、その内容を今後、検討することになる。
業転問題については、17日開催された全石連の新年会で関会長が「前日の16日には、自民党流通問題議連の役員会で、業転問題をスピード感を持って対応すべきであるとの忠告を受けた。同じく全国理事長会でも長時間にわたって審議、新しい時代に備えて議員立法での支援を求めることになった」と、業転問題の報告と決意を語った。
来賓として野田・自民党税制調査会長兼石油流通問題議連会長は「販売業界は、常に過当競争にさらされている。SSは東日本大震災で国民生活になくてはならないことが実証されている。業転との価格差が拡大することで経営難が続くことになれば議員立法で対応する。公取委も今回は理解をみせている」と述べた。
次いで高市・自民党政調会長も「議員立法として政務調査会でまとめて総務会にはかり、公明党と共同で法律をまとめる」と挨拶した。自民党の首脳が議員立法で取り組むと公約したことで実現性を帯びてきた。
自由化が進展している状況下で、業転との価格差を是正する商取引改善の法律が策定され、施行できるか疑問視する見方もあるが、販売業界では問題解決に向けて期待が寄せられている。
不公正な取引きについては現行の独禁法の運用で禁じているが、差別対価、不当廉売などが対象となっている。うち、仕切価格の段階で問題となる差別対価で、元売が指摘を受けたケースはないのが実態である。業転安の系列高ということが問題となっており、各調査でも4~5円の差があり、これがブランド料となっている。このブランド料の引き下げが販売業界からの要望であり、再三、元売との交渉が行なわれ、JXが1円引き下げることになったのだが、その他の元売はブランド料そのものを否定するところもあり、品質保証、安定供給を確保するための系列販売を重視して、業転を容認する業転ルールの策定には反対している。流通証明の添付で業転問題は一歩前進したかにみえたが、議員立法へと方向が転換してきた。
法律ともなれば、石油流通の安定供給の重要性、サプライチェーンの維持などを配慮して新たな規制、指導策が見込まれることになるが、どこまで可能となるのか今後の議論次第となる。解決すべきは系列仕切と業転との価格差是正であり、現行の特約契約にも踏み込むことになる。罰則規定が適用となるのか、緩やかな規制措置を講じるものになるのか注目される。