日刊ニュース

2014.01.23 のニュース

過疎地SSの実態精査の必要性

 ガソリンや灯油、さらにはA重油のそれぞれ必要とされる数量が国内に存在するだけではだめだ。堅牢・強固な物流を通じて、津々浦々のSSに運ばれ、ガソリンや灯油を必要とする個々人に、きちんと行き渡ることこそが重要だ。緊急時であっても、石油サプライチェーンーンのアンカーであるSSに求められる機能である。
 これらを担保するために停電時でも非常用電源などの自走機能を活用し、多めの製品在庫を有する中核SSが整備された。さらには、有事対応力の研修を受講するなどしたSSマンが常駐する。これによって、SS=地域インフラという位置付けが明確になった。
 ところが平時のSSでは、こうした中核SSを含めて、その商環境は極めて厳しい競争原理にさらされ続けている。特に山間へき地という立地にあるSSの近況は、少子高齢化と人口減少の度合が高い分、その厳しさは強い。
 燃料油の粗利が10円に届かない実情の中で、街中へ10㌔行った先に卸価格面でいつも5円優位に立っている広域PBSSがある。
 商圏内で撤退したSSを補完するために、撤退SS地域の声に応じ、仮に自身の費用対効果が悪くなっても、より広域を薄くカバーする灯油配達機能・人材を維持する地域SSがある一方で、地域への密着度がほとんどない広域展開の単純セルフの廉売SSがある。
 石油流通の兵站線の最先端で、小ロットであっても大切にきめ細かく対応してきた官公需燃料が、都市部の大手出先SSに入札で奪われてしまったSSがある。
 低燃費車の増加による右下がりの燃料内需。その右下がりの傾斜を高める原油高に伴う消費節約。さらには、低燃費車と燃料を必要としない次世代車の普及を加速させるために持続するガソリン重税。SS全体を取り巻く現状から見渡せる3油種市場に共通した未来図も見えている。
 約1800ヵ所が全国に配備された石油の最後の砦・中核SS、さらには約260町村に達したであろうSS過疎地。全国汎用のSS経営実態調査が毎年行われているが、中核SSとSS過疎地に特化した経営実態を精査することで、今後も普遍的に通用する経済合理性にかなったSSの姿、限界集落を拡大させない国政、これらに求められるべき公的支援のあり方の一助となろう。

提供元:全国石油商業組合連合会
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