2014.02.19 のニュース
ガソリン仕切は小幅下げ 価格差生じるが同水準に~末端市況の維持は難航~
ガソリンの仕切価格は、15日からJXが60銭/リットル、昭和シェルが1円10銭の値上げ、出光が90銭の値下げとなり、上げ、下げと分かれた。週単位でみるとバラツキが生じるが、各社の仕切価格の変動幅を遡及して算出すると、ほぼ同値となる。1月の加重平均ではJXが2円10銭の値上げ、出光は1円80銭の値上げとなっている。2月に入っては値下がりとなったが、前週の8日からはJXが2円値下げ、出光が据え置きとなっており、15日からの改定で調整される。2月は累計では1円30~40銭の値下げとなる。1月の仕切価格の値上がり分も未達となっているため、本来ならば、2月も市況維持で対応すべきであるが、石油情報センターの調査価格(10日)は平均で158円40銭となり、前週比で20銭下げ。前々週も10銭の値下がりとなっているため値下がり傾向をみせている。今後の原油価格、為替の動向が注目されるが、4月は消費税の増税転嫁となるため、これからは安値の市況を是正することがポイントとなる。
各社のガソリン仕切価格は、週単位でみると小幅な変動が続いているが、上げ、下げを相殺すると、ほぼ同値となるため、市況維持で取り組む方向にある。
しかし、末端市況は徐々に値下がり傾向となっている。仕切価格が小幅な変動となると、末端市況はどうしても下落傾向を示す。石油情報センターの調査価格は小幅な値下がりとなっているが、首都圏の街道沿いのボトム価格は157円の目標から155円、さらに153円へと値下がりしている。
今後の原油価格の動向が注目されるが、ドバイが105ドル/バーレル程度で推移している。また、アメリカの株価の上昇でWTIは100ドル台に値上がり傾向をみせている。為替は102円/ドル程度で推移しており、コスト変動は小幅となっている。
このような状況から元売の業績は下期(昨年10月)以降、市況低迷でコスト増の転嫁が遅れて営業段階では実質赤字が続いている。この赤字は1~3月も続くとの見通しである。今後にマージン増を図る機会を狙っているが、当面は難しいようである。
マージン増への転換のタイミングは、高度化法による設備処理が仕上がる4月以降に期待されている。だが、4月には消費税の増税が実施となり、5円程度の値上げとなるためその転嫁と重なり、マージン増が浸透するか否かも難しい状況となる。そのため3月末までには適正マージンを確保できるよう市況を底上げする必要があるが、現状では難航が予想されている。
このまま4月以降も推移すると、消費税の増税分も未転嫁となる最悪のシナリオも予想され、赤字が拡大することとなる。それを回避するために、市況是正に取り組む時期にきている。