日刊ニュース

2014.04.04 のニュース

需要予測 30年度の灯油はピーク時の半減-ガソリンは5000万klへ減少-

 平成26~30年度の石油製品需要見通しが作成された。3.11以降、電力の供給計画が発表されていないため電力用C重油を除いており、26年度の燃料油は1億7661万キロリットルで前年比1.5%減の見通し、25~30年度の向こう5年間でみれば年率で1.7%減、全体で8.4%減の1億6428万キロリットル(25年度の見込みに対しては約1500万キロリットルの減)となる。各油種とも年率ではマイナスとなっており、今後も減少が続く。
 この需要見通しは、備蓄法の基準備蓄量を算出するため基礎資料となるが、現在、検討中の設備(トッパー)処理のための資料ともなる。これを基に高度化法による3年後(17年3月末)のトッパー能力の削減、重質油分解装置の装備率を算定する。
 油種別には、26年度のガソリンの需要は5488万キロリットルで前年比で1.9%減、25~30年でみると年率で2%減、全体では9.5%の減となる。30年度には5063万キロリットルとなり、ピーク時の6148万キロリットル(2004年度)に比べると約1100万キロリットルの減となる。これにはガソリン車の保有台数は減少するが、総走行距離はほぼ横ばいと想定、燃費改善は継続的に進み、需要は減少する。ハイブリッド車の燃費改善を反映させるが、EV、FCV(燃料電池車)の影響は見込まない。
 ジェット燃料は、26年度は492万キロリットルで2.7%減、年平均では0.7%減、全体で3.6%減となる。26年度は経済成長の鈍化、省エネ化の進展で減少、27年度以降は航空需要はあるものの、引き続き省エネ化が見込まれ微減の見通し。
 灯油は、26年度は1723万キロリットルで4.9%の見通し。年率では3.3%減、全体で15.3%の減少する。30年度は1535万キロリットルとなり、ピーク時の3062万キロリットル(2002年度)の半減となる。過去10年の気温平均をペースの想定、産業用は、燃料転換、効率化が進み減少が続く。民生用も住宅の電化、ガス化が引き続き進むのと、寒冷地の人口減少もあいまって減少が続く。
 軽油は、26年度は3376万キロリットルで0.9%減、年率は0.8%減、全体で3.9%の減となる。25年度は復興需要により3408万キロリットルで2%増が見込まれるが、26年度以降は貨物輸送を左右する経済動向の影響を受け、トラック保有台数が減少にするため、継続的に減少する。
 A重油は、26年度は1244万キロリットルで前年比5.1%減と大幅減となる。年率でも4.5%減、全体で20.6%減となる。各産業とも燃料転換が進み、消費原単位の改善から減少が続く。農業用は農地面積の縮小などにも影響され、漁業用は、漁業従事者の減少で需要減が見込まれる。
 C重油の一般用は、26年度が679万キロリットルで3.2%減、年率は5.9%減、全体で26.3%減となる。大幅な消費原単位減少が続く。電力用は見通しを立てていないが、25年度は1343万キロリットルとなっている。
 ナフサは、26年度は4658万キロリットルで唯一1.2%増となっている。BTXの輸出が増加傾向にあり、BTX原料ナフサが増加しているためである。27年度以降なエチレン原料用ナフサは減少する。そのため年率では0.4%減、全体では2%減となる。ナフサの供給は、大半が輸入で行なわれているため、国内の石油製品需給への影響は少ない。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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