2014.04.14 のニュース
ガソリン増税転嫁は浸透 -現状を維持して連休商戦入り-
消費税の増税転嫁は、ガソリンが5円/リットル、灯油が3円値上げされて浸透したようである。ガソリンの場合は5円という大幅な値上げとなったため、完全転嫁に不安もあったが、販売業者の足並みは揃った。石油情報センターの調査価格(1日)では平均で164円となり、5円の値上がりとなった。その後の調査(7日)でも164円20銭となり、横ばいを維持している。
仕切価格は4月に入り1円程度の値上げとなったが、まずは市況の底固めに専念することになっているため、この仕切値上げの転嫁は今後の状況をみて対応することになる。
ガソリン販売は3月末での駆け込み需要により増販となったが、4月初めはその反動で減販となっている。営業車は1日からSSで給油するが、オーナードライバーはこれから給油することになるため荷動きが活発化する。高値となったためユーザーが節約することが心配となるが、これから春の行楽シーズンに入るため車の利用は増加する。
ガソリン販売は、消費税の増税で一時的に需要は落ち込むが、景気が上向きとなることでの需要回復が期待されている。個人所得ではサラリーマンのベースアップの実施がカギとなるが、一部の企業にとどまっている。だが、株価、経済指標などが上向きとなれば、経済が好循環することになることから、アベノミクス効果が期待されている。
ガソリン販売が増加することは難しいが、減販が避けられるなど、横ばいで推移すれば良しとすべきである。しかし、4月末からのゴールデンウィークでの増販、増益は期待されている。設備処理によって需給はタイトになる。今後の原油価格、為替の動向にもよるが、ここは、現在の市況を維持しながら連休商戦に突入したいところである。前半は飛び石連休となるが、好天気が続けば増販が朗待できそうである。
ガソリンが160円台に乗ったことで、減販を心配するむきもあるが、値下げして安値で販売することなく、我慢して値取りを優先すべきである。ガソリンのマージンが減少しており、SS経営は一段と厳しい状況にあるが、連休商戦で一気に経営改善を図りたいところである。
元売サイドも本業の石油事業では赤字となっており、新年度の4月入りからは黒字転換を狙っている。そのため、原油、為替のコスト増加分を確実に回収するための新体系を模索している。これまでの業転にリンクする方式ではコストの回収は難しく、これにブランド料を加算すると業転と系列仕切との価格差が拡大するため、販売業者からの反発は強まる。そのため、業転を値上げしながら仕切価格のベースを底上げして、マージン確保を狙うことになる。
業転問題は簡単には解決することが難しくなっている。議員立法の動きもあるが、これも簡単ではなく解決には時間がかかる。一方で、元売が設備処理を実施しており、業転と系列仕切との価格差是正には今がチャンスとなっている。トッパーの削減によりガソリンの生産が減少するため、4月末から5月が需給調整の効果が出るかの試金石とみられる。設備処理の効果は、供給過剰を解消して業転市況を値上げることが本来の狙いであるため、これが実証されることがポイントとなる。