2014.05.07 のニュース
クルマと運転者の質的な変化
ガソリン需要は14~18年度の年平均で2%減少し、5年間で1割弱販すると見通された。燃費改善が主因という。そのベースにあるクルマの保有や購入意向、使用実態の変化を踏まえ、「拡販を追わない」SSづくりが一層求められることになろう。
自工会の13年度乗用車市場動向調査によると、軽自動車は過去10年で1割増の33%、HVも1%から6%に増えたが、2000cc超は22%から16%に減った。ダウンサイジング化は、1700cc超クラスに目立つ。マイカーの運転頻度が最も多い主運転者の平均年齢は男性55歳、女性49歳へと上昇、うち60歳以上は男性42%、女性24%と高齢化が進んだ。運転者比率は男性88%、女性67%に達し、底辺がより広がっている。
使用頻度はほとんど変わらず、週平均5・1日。その4割強は毎日利用だ。実燃費は「㍑当たり16㌔以上」が前回調査の2年前比で22%から27%に増加。車格別の平均燃費は大・中型車、小型車、大衆車、全体が各1㌔改善して9㌔、13㌔、14㌔、12㌔、軽は2㌔改善して14㌔に伸びた。自動車各社が燃費競争にしのぎを削る状況を踏まえると、燃費向上は一層進むだろう。買い替え予定車の動力タイプをみても、軽比率の高い地方はガソリンエンジンが多く、東京23区はガソリンとハイブリッドが拮抗、平均ではG車6割・HV3割と大勢を占める。
とはいえ、世帯保有率は82%で、地方は9割前後、23区でさえ半数にのぼるし、複数保有率も4割弱あり、2年前比で減車した世帯は1割に満たない。クルマは、生活に強く密接している。前保有車の保有期間は新車購入の場合で7・5年、中古車で5・7年。現保有車の5年以内買い替え予定は2割と、そう簡単に低燃費車へと入れ替わるものではない。また、60歳以上の主運転者でも「80歳までは乗り続けたい」意向は8割を超す。その一方、視力、注意力、反応時間の衰えを感じており、こうしたことが先進安全技術搭載車の人気を押し上げている様子もうかがえる。
クルマが、ドライバーが、質的に変化した。この事実と最も身近に日々接しているのがSSのはず。油外商品を売る難しさもわかっている。質販の障害もわかっている。それでも、SSを起点に、あすの経営へとつなげていきたい。社会が必要とする大事な仕事が、無益な我慢比べであってはならない。