2014.06.06 のニュース
ガソリン高値による減販を懸念-新体系での値上がりが影響も-
ガソリン価格は4月からの消費税の増税もあって、石油情報センターの調査で平均が166円/リットルとなり、160円台相場で推移する高値感から減販が心配されている。セルフSSの安値販売は160円割れも散見するが、新体系への移行でさらに値上がりも予想されるなど、減販に対応した販売戦略が求められている。
4月には消費税の増税(5円/リットル相当)を前にして3月末に仮需要が発生したため、3月販売は前年比で8.5%増となり、その反動で4月販売は8.8%減となった。伸び率では相殺されたことになるが、3~4月の販売数量でみると減販となっている。今年3月販売は495万キロリットル(前年は465万キロリットル)、4月販売は403万キロリットル(449万キロリットル)となり、2ヵ月でみると898万キロリットル(913万キロリットル)で16万キロリットルの減となっている。
統計上では25年度は5542万キロリットルで前年比で1.4%減となったが、それでも3月の増販で減少幅がとどまったことになる。26年度入りの4月販売は、8.8%の大幅な減販でスタートすることになり、5月も2~3%の減となっている。6月からは仕切価格の改定方式が新体系へと移行となり、値上がりが見込まれている。連日、季節外れの猛暑となり、増販が期待されそうであるが、今後の天候次第となる。例年は入梅月で不需要期となり、販売が落ち込むため、今後は新体系の浸透と市況対策がポイントとなる。
ガソリン販売は、今後も年率2%減が見込まれているが、省燃費車の普及、若者の車離れ、少子化などの要因からみて、減少幅が拡大するとの予想もある。増販を期待できるとすれば猛暑などの天候要因しかない。時代の流れから国内需要の減少を止めることは難しい。
減販をカバーするために輸出も行なわれているが、海外市況との絡み、輸出先の国によってガソリン性状の違いもあり、輸出数量が大幅に伸びることはないようである。それでも最近は輸出が増加しており、各社の輸出努力が功を奏している。25年度の輸出は、年間では175万キロリットルで前年比で57%増となっており、今後の輸出増に期待がかかっている。
ただ、国内価格が値上がりすると、逆に輸入する可能性もあり、新体系による市況値上がりは悪影響になりかねない。輸出増は海外市況との価格差による効果であり、昨年度は国内市況が下落したため輸出が増加したが、輸入は逆に156万キロリットルとなり47%減となっている。
輸出増の背景には国内市況の下落があり、そのため各社の3月期決算は赤字となった。輸出が増加したことは好材料となってはいない。また、ガソリンの国内市況が値上がりすれば商社などが輸入を行なうため、ガソリンの独歩高の体系を維持することは難しく、海外市況とのバランスとなるため、おのずと限界が生じる。国内市況を海外市況の水準まで引き上げることが目安となるが、その水準を確保できるかがカギとなる。
一方、ガソリンの増販を見込むとなると、ガソリン税の減税などによる販売価格の値下げ、高速料金の引き下げ・無料化などがあげられるが、これらの方策転換は難しい。逆にEV車、燃料電池車の普及が見込まれるため、需要減少に拍車がかかるとの見方が強い。