2014.06.24 のニュース
頑張る中小業者を守るために
総代会を終えた各県の石油組合や地域支部で、新年度の組織活動が順次スタートしている。事業計画や理事長所信では、公正な市場の構築、系列業転格差の是正、過疎地を含めた安定供給体制の整備、組合員の結束強化、社会的地位・価値の向上、減税運動の推進、次世代車への対応、共同事業の強化、組織活動の原点回帰、使命と誇りの自覚、業界力の向上、人材確保、再投資が可能な経営の確立、東日本大震災からの復興、未来への前進等々の発言や文言が並んだ。石油販売業者およびSSの存在・存続基盤を確固たるものにすることを追求し、地域社会の持続的成長や維持に欠かせない組合員を複層的にサポートしていく姿勢が強く表れている。
過去30年で、元売会社は約3分の1へと再編、統合が進んだ。需給ギャップの解消に向けてさらなる再編も問われているが、その余地は狭まってきている。一方、揮発油販売業者はその間にほぼ半減している。およそ1・8万人の販売業者は、厳しい商環境の下でここまで生き抜いてきたが、基幹商材の石油は社会構造的な需要減に直面。また、消費税と地球温暖化対策税とのダブル増税、イラク情勢の不安定化なども加わり、ガソリン高が続いている。消費マインドは一層の節約、低燃費車指向へと傾斜が強まる懸念がある。
地場に根付いたSS、特に地元業者は地域とともに歩み、支え合い、将来に向かっても共生の道を切り拓こうと日々努めている。ところが、道理に合わない障壁に道を塞がれ、前へと進めない。多くの中小SSがそんな苦い思いを積み重ねているというシグナルがひしひしと伝わってくる。都内某支部の総会では、今年も不動の標語∥「市況は財産」の垂れ幕が掲げられていた。ユーザーの信頼を得ながら健全に商売が続けられるよう「採算販売」に徹したい。従業員に報いたい。それがままならないのは、仕入れ原価並みの廉売が幅を利かせているから。昨年来の組織活動によって、議員立法の検討が深まり、精販協議会も設置された。不公正をまかり通してはいけない。
本号で紹介しているが、都内SSを開放した地域イベントには、大勢の子どもたちが集まったと聞く。「いつの日か、ユーザーとして来店してくれる子がいてくれたら、SS冥利に尽きる」。夢や希望を抱き続ける組合員の期待に応えられる組織であり続けたい。