日刊ニュース

2014.07.03 のニュース

いまこそ元売販社が率先を

 ガソリン小売価格が9週連続で上昇し、消費税込みの全国平均のレギュラー価格が167・4円となった。一般紙やテレビなどではしきりにガソリン価格の高騰が報じられており、値上がりした店頭看板や、消費者の困惑顔での「なんとか安くならないか」というコメントなどが映し出される。
 原油高騰や小売価格の上昇時には同じパターンで報道されているから、いつものことではあるのだが、こうした報道が繰り返されるたびに消費者の節約意識が高まり、需要減をさらに加速させる方向に向かうのが販売業界にとってはつらい。
 仕切価格が連続して値上がりしているのだから、わが販売業界はしっかりと上昇分を小売価格に乗せていかなければならないのだが、直接、お客さんと接している店頭の現場ではそう簡単ではない。いま、全国のSS店頭で経営者やスタッフが、お客さんの「高くなったねえ」「なんとかならないの」などの言葉に気鬱になっているのが実情だ。
 しかし、それでもコスト転嫁は絶対に果たさなければ、SS経営そのものが継続できなくなる。先週の木村康石油連盟会長が記者会見で「小売価格への転嫁は(消費者・需要家に)お願いせざるを得ない」と訴えたように、業界全体がこの原油高騰に対応した行動を取るべきである。特に、いまやわが国のガソリン販売量の2割以上を販売している元売販売子会社が、このコスト転嫁に毅然とそして率先して臨むべきである。
 かつて元売は、特約店に製品を卸しその代金を特約店から回収すれば良かった。小売市場でのコスト転嫁は特約店や販売店の責任であり、その分、元売の市況に絡むリスクは少なかった。しかし、いま元売は、販売子会社を通して流通市場に進出し、コスト上昇時の小売価格への転嫁の難しさなども直接肌で感じているはずだ。
 そのガソリン流通の最前線で、シェアを急速に伸ばしている販売子会社が率先してコスト転嫁に取り組むことは、特約店や販売店に勇気を与えることになるのである。
 原油高騰は世界経済にも影響を及ぼしている。そうした中、日本の石油業界が内向きの競争をしている場合ではないはず。販売子会社が、流通系やPB系などの量販店と廉売競争している場合でもない。原油コストの変動に際して、きちんと利益の出るようなビジネスにしていくのが小売に進出した元売の役割である。

提供元:全国石油商業組合連合会
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