2014.07.11 のニュース
業転格差は縮小 価格競争は沈静化へ
ボトム169円相場は維持原油コスト連動の新体系へ移行したが、ガソリンの仕切価格と業転との価格差が5円程度となっており、末端市況は安値物が底上げとなっているため価格競争は沈静化している。ガソリン仕切価格は146~147円/リットル、消費税8%を加算すると158~159円となり、マージンを10円と見込むと169円相場となる。業転は142円程度で推移している。首都圏ではボトム169円を目安に市況対策に取り組んでいるが、これが浸透しつつある。街道沿いSSでは167~169円で推移、170円相場に近づいているが、170円はひとつの壁となっている。石油情報センター調査では、すでに九州地区では170円台に、東京も170円に乗せているが、首都圏では千葉、埼玉などが164~165円の安値となっており価格差が生じている。これから夏場商戦のヤマ場に入るが、大型台風の到来が予想されるなど、天候不順が気になるところである。
ガソリンはこれから夏休みの需要期入りとなるため、販売業者は増販期待を高めている。とくに4月以降、減販が続いているため7~8月での増販を見込んでいるが、梅雨明けが遅れそうであること、大型台風の到来が予想されていることで、7月販売に影響すると懸念されている。
在庫は180万キロリットル割れの低水準であるため、業転市況も堅調であり、仕切価格との価格差が縮小されている。末端市況も安値物が底上げされているため、価格競争は消えている。
ただ、高値による減販が心配されているため、170円超えは様子をみる構えにある。原油価格もここにきて小幅な値下がりをみせており、市況対策も一服状態にある。
夏場に入ったことから「ガソリン高の灯油安」の体系に移行している。東商取の先物も原油は69円、ガソリンは86円、灯油は82円で推移しており、ガソリンは灯油に比べ4円高となっている。原油とガソリンのスプレッド(価格差)は17円と拡大しており、先物でみる限りでは、ガソリンのマージンは回復していることになる。