2014.07.16 のニュース
1日あたり4SSの減少が続く-ガソリン高値でSS減に拍車かかる-
3月末のSS数は3万4706ヵ所となり、前年に比べると1643ヵ所の減少となった。全石連が訴えている「1日当たり4ヵ所が減少している」状況が続いており、今後もこの傾向が継続するものとみられる。SS数は、ピーク時の1995年3月末で6万ヵ所あり、約40%強が減少したことになる。ガソリン需要の減少が今後も続くことから、SSの減少に歯止めがかからない。
足元のガソリン販売は、4月が8.8%減(販売数量は404万キロリットル)、5月も3.8%減となっており、6~7月も減販が見込まれている。4月の大幅減販は、3月に消費税の増税を前にして仮需要が発生したため8.5%の増(495万キロリットル)となり、その反動によるものである。
また、経産省による平成26~30年度の5年間の石油需要見通しでは、ガソリンは年率2%減となっているが、最近ではこれ以上の減販が見込まれている。減販の要因としては、省燃費車の普及、少子化、若者の車離れなどによる需要の減少があげられ、SSの減少に歯止めをかけることは難しい状況が続く。さらに、ここにきてガソリン価格が170円/リットルの高値相場となったことから、ユーザーの節約が浸透して減販傾向が強まるとみられる。その結果、SSの減少に拍車がかかりそうである。
SS数減少の中身をみると、セルフSSは増加するが、フルサービスSSが減少している。セルフSSは3月末で9275ヵ所となり、前年比で413ヵ所の増加となっている。伸び率は鈍化しているが増加は続いている。
また、元売販売子会社、商社系、無印SSなどは増加するが、特約店が経営する小規模のフルサービスSSが減少するパターンが続くことになる。地域によっては、地場の販売業者のSSが撤退して元売販売子会社のSSのみが残るというケースが増加している。その中で、生き残りをかけての競争は続くが、販売減の状況下では、特約店SSが競争に敗れてますます減少することになる。
ガソリンの需要減の要因のひとつとして、次世代自動車の普及があげられる。その状況はというと、EVは走行距離が短いとの難点があり、燃料電池車は高額であることから普及が遅れている。また、水素ステーションの建設コストが4~5億円かかりインフラ整備にも時間がかかる。現在、約30ヵ所である水素ステーションを2015年度には100ヵ所設置を目標としているが、建設用地の手当ても難しく、目標達成は困難とされている。こうした状況から、次世代自動車は実用化には至っていない。しかし、トヨタが先日、2014年度内に700万円で発売すると発表したこともあり、実用化が近づいたとの見方から水素関連企業の株価が上昇するなど、新しい動きも出てきた。
実用化はまだ先の話であるが、元売サイドが関心を持っている一方で、販売業者サイドは対応することが難しく、次世代SSの検討も行なわれたが、別次元のものとみている。それよりも足元のSSの生き残りをかけての対応が重要となり。市況対策に取り組んでいる。6月から原油コスト連動方式がスタートして定着の方向にあるが、ユーザー転嫁は遅れているため販売業者には不利な状況となっている。