日刊ニュース

2014.07.17 のニュース

ガソリン170円相場で減販を懸念 原油下落で上昇から一服状態に

 ガソリン市況は170円/リットル相場になってきた。石油情報センターの調査価格は平均で169円70銭/リットルとなり、前週に比べ1円30銭の値上がり、11週連続の値上がりとなっている。東京は171円となり、経産局では、中部、近畿が170円、九州が173円となっている。
 これから夏場商戦に入るが、170円という高値により、ユーザーの節約志向から減販が懸念される。首都圏の街道沿いのボトム価格(表示価格)は168~169円か高値であり、実勢は165~166円となっており、170円割れのSSも多い。170円を超えると高値感により減販となるとの見方から様子待ちとなっている。
 ここにきて原油価格が値下がりしてきたため市況にも影響しそうである。ドバイは6月末には110ドル/バーレル、為替が102円/ドル前後で推移していたが、105ドルに値下がりしており、原油コスト連動方式に変更したため、今後は値下がり予想となってきた。原油価格は高止まりで小康状態にある。イラク、ウクライナ情勢など危機感が薄らいだとの見方もあるが、依然として不安材料が残っており楽観視はできない。また、アメリカの株価は上昇して1万7000ドルに乗せており、各経済指標が好転すると原油価格も高値に連動することもありうる。
 国内の需給状況は、製油所の定期修理の最中であるため需給が締まり、業転市況も値上がりしている。だが、定期修理はこれから8月にかけて終了するため、操業開始となると増産となる。それでも各社の7~9月の原油処理は前年比では減産対応となっており、在庫は低位であり、需給はタイトで推移している。
 ガソリン販売は減販が続いている。3月販売は4月の消費税の増税を前にして仮需から8・5%増となったが、4月はその反動で8・8%減となった。5月も3・8%減、6月も3%程度の減少が続いており、今後も減販が見込まれている。それでも7~8月は夏の需要期であるため増販期待が強い。7~8月は景気回復と夏休みの車の利用増加で増販が期待されている。ここで販売数量が落ち込むと販売業者は厳しくなり、価格競争が激化する心配が残る。
 一方では、2008年8月の185円相場の再来を予測する見方もある。前回はアメリカの景気不安とドル安、インフレ懸念で資金が先物市場へ流入、さらに、供給懸念を背景にゴールドマンサックスが原油価格の値上がり見通しを発表したことから原油先物が急騰、WTIが7月には145ドルとなった。その後、高値による景気後退、石油需要が減少、9月にリーマンショックが発生したのを機に原油が急落し、12月には35ドルとなった。この結果、世界経済が混乱、原油先物市場に対しての不信感が高まり、行き過ぎを規制する方向となった。現状では中東情勢に不安材料が多く、見通しは難しくなっているが、各機関の見通しは110ドル程度となっている。
 足元では、ガソリンが170円相場となっており、11週連続値上がりで通算では12円の値上がりとなっているが、その中には4月からの消費税の5円の値上げが加算されており、実際の値上げ分は7円程度となる。高値となっているが、消費税の増税を反映したものである。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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