日刊ニュース

2014.07.24 のニュース

ガソリン市況は維持 需要仕切値下げも我慢~減販でもマージン確保を優先~

ガソリンの仕切価格は17日から1円/リットル値下げとなったが、末端市況は維持されているようである。夏休み入りの20~21日が連休となり、ガソリンは需要期に入るため増販期待となっている。4月以降は減販が続いているため前年比での増販は難しいが、それでも通常月に比べると増販となる。昨年は猛暑となり、7月販売は510万キロリットルで前年比2%増、8月は542万キロリットルで0.3%の微減となっている。今年はガソリンの販売価格が170円/リットル相場(前年7月は155円)となり、高値感からユーザーは節約志向を強めているため減販が見込まれており、苦戦が予想されている。ガソリン高に加えてユーザーは小型車、省燃費車に切り替えていることから、減販は止むを得ないが、減販にとらわれず、適正マージンを確保した販売が望まれている。7月は設備処理と定期修理とが重なったことで需給は締まっていたが、これから8月に向けて定期修理が明けるため需給緩和が心配される。だが、ここは元売各社とも、増販に走らず秩序ある販売で対応するものとみられる。
 ガソリンは本格的な夏場商戦に入った。猛暑による増販を期待したいところだが天候次第である。ガソリンの販売価格が170円相場となったことから増販は難しい状況にある。昨年7月の市況は石油情報センター調査価格では、初旬は155円/リットル、月末は160円、8月には163円となったが、7月初旬で比較すると今年が15円高となっている。4月に消費税の増税分5円の値上げとなり、その後も値上がりが続き、ついに170円の高値となった。最高値の2008年8月の185円に接近するとの説も出ているが、ここにきて仕切価格は1円値下がりしたため、一服状態となっている。
 しかし、原油価格は中東情勢など不安材料が多く、予断を許さない状況が続いている。ここにきて、再び値上がり傾向をみせている。
 ガソリン価格は150円を超えるとユーザーの節約志向から減販となるとの見方があるが、170円相場となった現在、ユーザーに高値との印象を与えているのは事実である。連続12週の値上がりが伝えられているが、原油価格の値上がりと消費税の増税が加算されたものであるため、高値による減販は止むを得ず、ユーザーに理解を求めることしか方策はない。だが、値下げしても増販が見込まれることはなく、当面は市況維持に努めるべきである。
 幸い、需給も締まっており、市況は維持されている。
業転市況と仕切価格との価格差は縮小されつつあるのと、業転玉の出回りが少なくなっている。高度化法による設備処理の影響で、減産効果から需給がタイトとなっている。
 8月に入ると定期修理が明けて増産となるため需給緩和が心配されるが、ここで一気に供給増となることはなく、各社は実需に見合った生産で臨むものとみられる。すでに7~9月の原油処理は前年比では減産で臨む計画を打ち出している。
 需要が予想以上に減販となると需給バランスを崩す心配はあるが、各社とも黒字決算を狙っており、需給バランスをみながらコスト回収に努める方針である。前3月期の赤字決算を避けるために、黒字を確保する方針に転換している。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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