2014.08.12 のニュース
販売業者 減販と転嫁遅れで苦戦 元売 マージン確保で業績回復~末端は小幅下げで未達分残る~
4~6月の販売業者の業績は、4月以降の減販とコスト増(仕切価格の値上げ)の転嫁が遅れたこともあり、厳しい状況にある。元売各社の4~6月は製品マージンが
大幅に改善され、業績は回復したのに比べると明暗を分けている。元売サイドも黒字と赤字に分かれているが、大手販売業者サイドは総じて苦しい業績となっている。
4~6月は仕切価格が値上がり展開となり、ガソリンの末端市況は連続値上げとなった。石油情報センター調査では、12週間連続値上げとなった。その結果、170円の高値相場となった。ここにきて20週振りの値下がり、その後は3週連続の値下げ(通算では50銭値下げ)となった。結果的にはユーザー転嫁が遅れることになり、未達分が発生したことになる。
ガソリンの仕切価格はJXの加重平均ベースでみると4月が2.6円/リットル、5月が2.2円、6月が2.7円、7月も0.8円の値上がりとなっており、累計すると約8円の値上げとなる。うち4月からは消費税の増税分(5円値上げ)が加算されたことになる。
6月からは仕切価格の改定方式が原油コスト連動方式となり、従来の業転連動に比べると透明性は確保されるが、仕切価格は完全値取りとなっている。そのため販売業者サイドからは、「元売は原油コスト分を完全転嫁しており、原油は値上がりしているのに円/キロリットル換算ベースでは処理している原油はコスト安となっているためマージンが改善されている。販売業者サイドは原油コスト連動でそのまま値上がりしているが、高値となったため販売減から転嫁は難しくなっている」と不満が出ている。
これから夏場商戦の本番を迎えて、市況維持に努めてマージン確保を狙うが、減販となっているため適正利益の確保は難しくなっている。
それでも通常月に比べると増販となるのと、仕切価格は小幅な値下がりとなっているため市況維持することでマージンを確保する構えにある。