日刊ニュース

2014.08.28 のニュース

ガソリン高で減販に拍車-減販を食い止めるには減税の議論を-

 夏場商戦のガソリン販売は低調である。石連週報の10~16日のガソリン出荷は96.5万キロリットル(前週は122万キロリットル)で100万キロリットルを割った。旧盆商戦で増販が期待されたが、台風の到来もあって低調である。夏場での出荷が1週間で100万キロリットルを超えたのは2週に止まっている。
 今年の夏場は、台風の到来、豪雨により各地で大きな被害が発生しており、道路が寸断され、車の利用が減少した。一方、関東地区のように猛暑で販売が見込まれたところもあるが、九州、四国、中国地方は台風、豪雨の影響を受けて減販となった。
 昨年7月のガソリン販売は500万キロリットル、8月が532万キロリットルであったため、これを下回るのは必至である。ガソリン販売は、4月から消費税が増税(5円/リットル値上げ)となったため8.8%の大幅減となった。
3月が仮需要で8.5%増となった反動によるものであるが、大幅減となり、以後マイナスが続いている。
 減販を食い止めるには、ガソリン高を是正する必要がある。原油価格の値上がりに伴う仕切価格の値上げで、末端市況は170円相場(石油情報センター調査価格)となり、高値感から節約が浸透したことが、減販に追打ちをかけたことになる。向こう5年後の見通しでは年率2%減となっているが、ガソリン税などの減税策を講じないと、需要減が加速するとの悲観的な見方もでている。車も小型車、省燃費車が増加することになり、ガソリンの減販をいかに食い止めるかが課題となっている。
 増販が見込まれるのは、好天気が続き、猛暑によるカークーラーの使用増という天候まかせの状況となっている。今年はとくに台風、豪雨と天候不順が続き、予想が外れることになった。
 ここにきて原油価格が値下がり、ガソリン市況は7月下旬から値下がり169円となってきたが、需要が増加することは難しい。ガソリン価格が150円を超えるとユーザーは節約するとの見方もあり、170円相場は高値となるため減販に拍車がかかることになる。ガソリン価格の高騰に際して「160円以上の期間が3ヵ月続いたら暫定税率分の25円/リットル引き下げる」というトリガー条項があり、民主党が08年4月の1ヵ月のみであったが25円の引き下げを行ない、国民から支持を受けたが、現在は、政府が財源不足を理由に凍結している。
 ガソリン高を改めるならば、トリガー条項の発動という小手先の措置でなく、ガソリン税そのものを減税する必要があるが、これも財源不足を理由に議論になっていない。だが、燃料高騰が景気に悪影響を及ぼし始めた状況下、減税を問題にする時期にきたようである。
 消費税の10%への引き上げが焦点となっている時期であるため、減税の話が出る余地もないが、それよりも石油諸税にさらに税金を課税している二重課税のTAXONTAXの廃止が先決となるが、この問題も石油業界から毎年要望しているが、見送りとなっている。
 ガソリン高の要因となるガソリン税を、消費者が負担していることで地方から減税措置の議論が出てきそうである。減販を食い止めるためにガソリン価格を引き下げるとなると、減税しか方策はなく、いずれはこの議論が出ることになる。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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