日刊ニュース

2010.11.03 のニュース

ガソリン転嫁は難航 小幅上げと下落でバラツキ―為替円高の影響が背景に―

ガソリンのユーザー転嫁は難航している。原油価格(WTI)は81~82ドル/バーレルと高値で推移しているが、為替が円高に転じたため、先物、業転市況も弱気となりユーザー転嫁は厳しくなってきた。石油情報センターの週動向調査(25日)によると132円30銭/Lで前週に比べると10銭の値上がりとなった。しかし、横ばい、値下がりする地区もある。前々週にくらべると20銭の値上がりとなっているが、実質はほぼ横ばいである。原油の値上がりで、仕切価格も10月は1円強の値上がりとなった。これを機に中旬からユーザー転嫁に取り組み、安値の量販店は122~3円に底上げされたが、堅調地区は値上がりせず、様子見の状況となっている。ガソリン在庫は200万KL割れの低水準が続いているため需給は締まっており、値崩れすることはないが、ボトム価格を130円台に乗せることは難しい状況となっている。
 10月のガソリンのユーザー転嫁は、下げ止めから反発して小幅な値上がりとなったが、目標に達せず11月に入った。原油価格は80ドル台に乗せているが、為替は円高で推移しているため、ユーザー転嫁は様子待ちとなってきた。
 ここにきて小幅な値上がりとなり、5月以降、続いた今までの連続値下げに歯止めがかかったが、一気に値上に転じることなく、実質横ばいで推移している。
 ガソリン販売は、猛暑の影響で8月が556万KLで前年比1.7%増、9月は496万KLで6.3%増と好調に推移した。この結果、上期販売は2989万KLで2.7%(80万KL)の増加となった。上期は原油価格は値下がり局面となり、ガソリンの販売価格も値下がりしたが、一部の安値地区を除いてはマージン幅は減少しながらも確保したことになる。
 10~11月は販売数量は落ち込むが、ここでマージンを確保できるのか否かがカギとなる。10月に入り原油価格が値上がり、仕切価格も値上がりとなり、ユーザー転嫁に取り組んでいるが、難航気味となっているもの。為替が円高に転じているため、コスト増が相殺されると市場が読んでいるためで難しい状況になっている。
 仕切価格の値上げが小幅であるため、堅調地区は、安値地区の動向をみることになり大勢は市況維持となっている。今後も大きく変動することなく推移しそうである。

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