2014.10.01 のニュース
ガソリン出荷は低調が続く 高値感から節約が浸透~市況下落も需要回復せず~
ガソリン販売は、9月に入ってもの低調で推移している。石連週報(14~20日)でも出荷は89万キロリットルと90万キロリットルを割っている。その前週は95万キロリットル、前々週は92万キロリットルとなり100万キロリットル割れが続き低迷している。7~8月が大幅な減販となったが9月も減販となっている。7~8月の大幅減販は台風、豪雨によるもので一過性ものであり、9月で需要回復を期待したが外れたようである。減販の要因は、4月からの消費税の増税(5円/リットル値上げ)と、原油価格の値上がりで、仕切価格の値上が重なりガソリンの販売価格が170円相場となったため、高値感から節約が浸透してきたものとみられる。8月に入りで仕切価格が値下がりしたため末端市況は値下がりしている。石油情報センターセンター調介価格は、10週連続で値下がり167円へと下落してきた。しかし、実勢市況は、首都圏の街道沿いでは162~3円に、安値は160円割れの157~8円となっており、今後も下落が加速しそうである。
ガソリン販売は、減販が続いている。7~8月の大幅減販は台風、豪雨の影響が大きいが、9月に入っても減販が続いている。高値によるユーザーの節約が浸透している。ユーザーの給油も満タン給油から、数量。金額を指定する限定給油か増加しており、価格には敏感に反映している。末端市況は下落したものの160円相場となっているため、減販に歯止めがかかるまでには至っていない。今後も減販基調は続くことになるが、販売価格が値下がりしても減販が止まることは難しく、そのため増販は期待できないが前年比で1~2%減で止まれば良しとみている。
仕切価格が値下がりとなり、末端市況も徐々に値下がりが浸透することで、需要が回復することが望ましいとみているが、今後の原油価格の動向にかかっている。
足元の原油価格はドバイで95~6ドル/バーレル、為替が109円/ドルで比較的安定して推移している。イスラム国への空爆で中東情勢が緊迫しているが、原油価格への影響は少ない。中東における地政学リスクが緩和気味で原油価格は下落したが、為替が円安に転じためのコスト増で相殺されており、円ベースでみると安定している。今後の見通しは難しいが、OPCEは減産で対応して値上げを狙う動きもあるため、予断を許さない。
販売業者サイドも、高過ぎるため仕切価格の値下がりを歓迎しているが、値下がり局面となると、末端市況が先取りして値下がりすることが心配される。
販売業者も減販のあせりが出始めており、仕切価格が値下がりに応じて徐々に末端市況が値下がりすることが好ましいとみているが、仕切価格が値下がりすると、それ以上に末端市況が値下がりすることになるケースが多い。
原油価格と為替の見通しを先に読んで対応することになるが、元売の仕切価格の改定を見極めて対応することがポイントとなる。
商売であるため、ある程度の先を読んで対応することで利益を確保することもあるが、値下げ局面では、先取りして下げ過ぎすることなく、慎重な取り組みが求められる。