日刊ニュース

2014.10.14 のニュース

地方を下支えする税低減政策

 輸出型大企業を業績向上に導いた円安。1㌦80円だった円相場はアベノミクスに連動した日銀の異次元金融緩和措置などをへて110円台という6年2ヵ月ぶりの円安を10月に入って記録している。
 石油の場合、バレル100㌦の原油代は1㌦80円時代は㍑50・3円となっていたが、110円時代では69・2円となる。約19円の値上がりだ。この間に累計0・5円の石油石炭税増税があり、さらには8%への消費増税があったから、100㌦の原油は、日本国を通関した瞬間に、往時の55・0円から77・5円へ22・5円の値上がりとなる。SSはその転嫁に苦しみ、消費者はその高価格に戸惑い、嘆くという構図が出現している。
 円安でわが世の春を謳歌する大企業の社員は、給与が上昇に転じ、ガソリン車をHVに買い替え、近未来ではFCVを購入する購買行動をとるのだろう。一方で、アベノミクスの追い風の実感に乏しい地方の中小企業は、エネルギー高でむしろ収益が下押しし、そこで雇用される社員の給与も伸び悩む。ガソリン高であっても必需品であるから節約余地は少なく、ガソリン車に乗り続ける。
 アベノミクスの恩恵を大きく受ける者と、その反動にさらされる者とに2極化してしまっている現状は、明らかに不公平であろう。政策として、その善後策を講じることが必要であり、それこそが政治であろう。
 前述の原油の円安暴騰の物語は、これをガソリンに変質させると、さらなる大暴騰の物語となる。いまの170円ガソリンは、1㌦80円時代なら、実は145円で収まっているのだ。円安と消費増税、2度の石油石炭増税が積み重なって、ガソリン25円の値上がりをもたらした根本に政策がある以上、その平準化の努力を政治が最大限に払い、やはり政策によってその責を果たすべきであろう。170円ガソリンは、旧暫定税率を廃止すれば143円へ、タックス・オン・タックスをやめれば166円になる。両方ともやめれば141円だ。
 欧州よりも税率が低いことも、税体系の世界標準も、地方生活者の困窮を和らげたり、救うことに勝る説得力を持たない。141円ガソリンは、都市住民の5倍のガソリンを必要とする地方生活者の生活をも下支えする。改造・安倍内閣が掲げる地域創生という領域にも、完全に重なる政策である。

提供元:全国石油商業組合連合会
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