日刊ニュース

2014.10.27 のニュース

仕切価格、連続で大幅値下がり 原油は下げ止めで状況が変化

 ガソリンの仕切価格は、2週間で6円/リットル(JX、出光)の大幅値下げとなった。値下がりは3週連続となり、累計では7円~7円50銭の値下げとなっている。
 23日からは2円50銭から3円の値下げとなり、末端市況は値下がりとなるが、どの水準までに値下げするかの相場づくりは難しいところである。周辺SSの市況をみながら対応するが、連続しての値下がりしているため値下がり幅が拡大しそうである。
 今後の原油価格の見通しは難しいが、下落しても80ドル/バーレルを割ることはなく、足元のドバイは84~5ドル/バーレルを維持するか、値上がりを予測する見方もある。原油価格の急落の要因は、世界経済の減速、石油需要の減少、シェールガス・オイルの増産、地政学的リスクの緩和、OPECの減産調整が難航する、などの点が指摘されている。一方、イスラム国勢力の拡大、地政学的リスクの再発、OPECの減産合意、などの不安材料は残っている。
 しかし、80ドルを割ると、産油国、メジャーなどの石油開発事業への影響が大きいのと、シェールオイルが採算割れとなり、生産を停止することになれば需給がタイトになり、原油価格は値上がりすることになる。その結果、原油価格の下落にも歯止めがかかることになるため、今回仕切価格の値下がりが最後となりそうである。
 ガソリン市況は、当面は値下がりするが、次週となれば、原油情勢は変わるとも予想される。原油価格の急落を受けて、仕切価格の値下がりが続き、末端市況も続落傾向を強めているが、そろそろ反発する動きに変わりそうである。
 石油情報センターの調査(20日)では163円90銭で前週に比べると1円40銭の値下がり、14週連続の値下がりで、通算で6円の値下がりとなっている。この調査価格は、現金価格であるため、割高となっていたため、次回の調査でも値下がりするものとみられる。
 首都圏の街道沿いでは150円台となっており、安値販売152~1円、HCなどは148円となっている。その他、会員、特売日(土日曜日など)割引き販売もあり、さらに値下げとなりそうである。堅調地区は160円台もあるが、今回の仕切価格が3円値下がりしたことで160円相場はなくなり150円相場となりそうである。
 仕切価格の値下がりは、販売業者、ユーザーも歓迎しており、需要回復に繋がることを期待している。170円相場となったのを機に割高感から減販傾向を強めている。そのため一連の仕切価格が値下がりで需要回復を見込んでいる。ただ、前年比での増加は難しく、1~2%減に止まれば良しとしとみるべきである。今後もマナスが続くが、どこまでマイナスの幅が縮小されるかがポイントとなる。
 マクロでみれば、値下がりしても需要はプラスに転じることはなく、安値販売で増販を狙うことは避けるべきである。
 しかし、実態は、価格競争が展開されており、安値攻勢が表面化しつつある。今回のように2週間で仕切価格が6円の値下がりとなったことから、先取りして値下げすれば増販が見込まれるとみて、安値攻勢が表面化することが心配されるが、今回の値下げが最後で、更なる値下がりはないとみるべきである。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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