日刊ニュース

2014.10.30 のニュース

早い冷えで灯油販売に期待感 仕切価格の値下がりで需要回復も

 今年は冷え込みが早まりそうであり、灯油販売に期待が高まっている。原油価格の急落で灯油価格も値下がりしており需要回復も見込まれている。灯油は天候次第とされるが。長期予報では、今冬は平年並みの気温との予報であったが、東京では27日に木枯らしが吹くなど気温が下かっている。
 灯油在庫は石連週報(18日)では309万キロリットルとなり、前週に比べ15万キロリットル積み増して300万キロリットルを超えた。それでも前年に比べると15万キロリットル減となっているが、供給面では問題がないとみている。
 だだ、販売数量は電気、ガスヘの燃料転換で基調は減販が見込まれているため、あとは早い寒波の到来を期待することになる。灯油の需要見通しでは平成26年度は4%減、以降5年間では年率3%減を見込んでいる。
 しかし、灯油は季節商品であり、天候次第で大きく影響するため予測は難しいがシーズンに入る11月の天候が、まず前半のポイントとなる。北海道、東北の荷動きも注目されるが、この時期に大消費地である関東、関西地区が冷え込むかにかかっている。ここで暖冬となれば、シーズン入りの出鼻がくじかれることになる。冷え込んで、オーバーを着るのが、何時になるかが目安となり、灯油ストーブを何時から使用するのかにかかってくる。ユーザーは、一度、灯油ストーブを使用すれは、暖かい日が続いても、そのまま継続して使用するため、その後の販売数量は確保できる。
 もちろん高値による節約も予想される。昨シーズンは18リットルで2000円を超えて2200円相場となり、節約と電気などにシフトするケースもあり減販となった。ユーザーに割高感が出て販売不振となった。需要期の昨年12月販売は暖冬で286万キロリットルで前年比で14%減、1月は285万キロリットルで13%減、2月は278万キロリットルで13%減となっており、各月300万キロリットルを割って低調となった。
 今年も原油価格が急騰したため、夏場に仕切価格は値上がり、加えて4月からの消費税の増税で3円(ガソリンは5円)の値上がりとなり、仕切価格の値上がりが加算された。その結果、高値となり販売減が心配されいた。しかし、夏場は不需要期であるため、家庭用価格が値上がりしても影響がなく推移した。
 幸い10月から仕切価格が値下がり局面となってきたため昨シーズンより低価格となる。それでも石油情報センターの調査価格は106円/リットル(SS店頭価格)~110円(配達価格)となっており、18リットルは2000円相場となっている。
 仕切価格が値下がりしたが、依然として2000円相場であり、この相場が高値となるの否かはユーザーの受け止め方となるが、依然として高値とみて節約、燃料転換は進むことになりそうである。時代の流れから都市部での灯油消費は激減しており、需要が回復することは難しく、今後も減販を食い止めるのが精一杯である。
 一方、寒冷地の僻地では、販売減となり過疎化問題が表面化している。需要が減少しており、減販から採算が合わず、薪炭商、SSが減少しており、供給確保が難しくなってきた。過疎化問題が、社会問題化することになれば、民間企業では限界であり、地元の市町村とか国が対応するが問題に発展することになる。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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