日刊ニュース

2014.11.06 のニュース

11月は値下がり需要 回復を期待 ガソリンの上期販売は5%減

 ガソリンの9月販売は441万キロリットルで前年比で2.6%減となった。上期では5.5%減となった。4~6月は販売不振であったが、7月も9.6%減、8月が6.3%減と天候不順で減販が続いたが、9月で2.9%減少幅が縮小したことになる。しかし、10月も台風到来したこともあり4%の程度の減少が見込まれているため減販が続いたことになる。
 減販が続き、元売、販売業者の上期は業績を不振となったが、11月ではガソリン価格が150円台(安値は140円台)と大幅に値下がりするため、需要回復が期待できそうである。だが、値下げが加速しており、下げ過ぎによるマージンの減少が心配されている。
 11月のガソリン商戦は、値下がりと連休もあり、秋の行楽シーズンと年末商戦へと繋がるため11~12月では需要回復が見込まれている。ただ、上期の業績不振を一気に挽回、回復させることは難しく、販売数量が前年比で減少幅が縮小されことで良しとすべきである。
 4~6月販売は前年比で4%減、7~9月も6.2%減となり、上期通期では約5%減となった。今年度(26年度)の需要見通しでは1.9%減(25年度は1.4%減)を見込んでいたため、上期での販売減は、値上がりによる節約と天候不順によるものであるが全くの予想外となった。
 上期前半の販売動向をみると、4月では消費税の5%増税(約5円/リットルの値上がり)による3月での仮需要に反動で8.8%の大幅な減少、5月は3.8%減、6月は1.3%減となった。その後は高値によるユーザーの節約、台風が相次いで到来する天候不順などが重なったものである。
 減販の大きな要因である170円相場という高値となり、節約が浸透した。天候不順が重なったため一過性によるものであるとの楽観的な見方もある。好天気が続き、ガソリン価格が値下がりすれば、需要は回復することになるが、ガソリン価格は値下がりしても、個人消費の落ち込み、節約が定着しているため、需要は簡単に回復するとはない、との見方が大勢である。
 基調としては、人口の減少、省燃費車の普及、若者の車離れが浸透しているため、ガソリン価格が値下がりしても、減販が続くことになる。今後は減少幅がどこまで抑えることができるかがポイントとなる。需要回復は好天気、景気回復、個人所得の増加と消費の伸びが前提となる。
 そのためガソリンは、今後も減販が続くことを前提に販売を下方修正した需給取り組み、販売戦略の立て直しが求められる。
 また、燃料油全体の上期販売は7%減となっている。軽油は微増であるが、A重油、C重油が大幅な減少となっている。とくに電力用C重油は減少している。電力用は、原発が稼動していないが、LNG、石炭火力にシフトしており、石油消費、受け入れは減少している。その結果、減販のテンポが速まり、燃料油の生産(原油処理量)も減産となってきた。各社は減産で対応しているが、設備処理を実施した直後であり、稼動率は高くなっているが、引続き減産となっている。
 高度化法のよる第2次弾の設備処理計画(設備の最適化)が求められ、各社は、3年後の計画を提示しているが、早い対応が求められている。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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