日刊ニュース

2014.11.17 のニュース

仕切据え置きも末端は下落が続く 原油の値上がりを待つ方策か

 ガソリンの仕切価格は、据え置きが続いているが、末端市況は、まだ値下がりしている。仕切価格が連続して値下がりしたため、地域格差が拡大したのと、HC、量販店などの値下げが先行したこともあり、混迷状況にあるため市況が収斂するまで、もう少し時間がかかりそうである。
 石油情報センターの調査(10日)は、平均で159円50銭/リットルとなり、前週に比べ60銭の値下がりで、17週連続の値下がりとなった。通算では10円40銭の値下がりとなる。
 この調査価格では、辛うじて160円を割ったが現金価格であるため実勢市況に比べる高値である。そのため連続して値下がりが続いたことになる。だが、次回の調査(17日)では、仕切価格が据え置きとなっているため下げ止めか小幅な値下がりとなるものとみられる。
 街道沿いでの安値は150円を割って143~5円が散見されており、安値は限界となり、堅調地区が値下がりしているため、調査価格(平均)は値下がりしている。安値の底上げなど市況対策に取り組む動きもあるが、販売業者間で足並み揃うか流動的である。
 値下がり局面では、下げの勢いがつくと、途中で値下げ止めることは難しくなり、反転する。きっかけは原油価格の値上がりよる仕切価格の値上がりを待つことになる。仕切価格の値上げが実施されないと末端市況の値上げは難しいとの見方もある。仕切価格の据え置きが続いているため様子をみることになり、結局、市況はじり貧となり値下がり続くことになる。
 コスト変動は原油価格のWTIは77ドル/バーレル、ドバイは79~80ドル/バーレルと値下がりしているが、為替が115~6円/ドルの円安となっているため、原油安は、円安で相殺されて仕切価格は据え置きとなっている。
 仕切価格は、9月で平均約4円の値下がり、10月も平均では4円の値下がりとなったが、累計では7円の値下がりとなっている。
 末端市況の値下がり遅れて浸透したことから、その間に時期的なズレが生じたことになる。ここにきて仕切価格が据え置きとなったものの、下げ止まりとならず、値下がり状況が続いていることになる。
 ガソリン市況の下落の要因は、原油価格が110ドルから80ドルへと急落したことにあるが、4月以降の減販の影響もあり、価格競争が激化したことになる。ガソリンの上期販売は前年比で5.5%という大幅減販となった。販売価格が夏場は170円相場という高値となったこともあり、ユーザーへ節約が浸透したこともあるが、台風が多く到来して天候不順となったことが重なったことも、大幅減販に繋がったことになる。
 ここにきて市況は急落して安値は140円台となったが、ユーザー節約が身についたこともあり、簡単には需要は回復しないようである。
 個人消費も消費税増前の駆け込み需要の反動で減少してきた。自動車の新車販売の減少など、ガソリン販売は低調である。11月に入り好天気が続けば、増販が見込まれそうである。だが、政局も12月での総選挙となると、選挙期間中は景気低迷するとの見方もあり、再度、減販が心配となる。選挙で自民党が勝つのか否か、その結果次第で年末の予算編成、税制改正などが決まるのか、多くの問題が出てくる。これから年末にかけては、ガソリン商戦にも影響が出る。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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