日刊ニュース

2014.12.08 のニュース

内燃車を悪者扱い許さないために

経済産業省は先ごろ、日本の自動車産業の中長期戦略をまとめた「自動産業戦略2014」を発表した。日本を代表する“ブランド”であり、“国民産業”である自動車産業の今後10~20年で日本が直面する人口減や少子高齢化、都市の過密化・地方の過疎化などの社会的な課題を踏まえて、将来にわたり自動車産業を盤石にするのが狙いだ。
 海外資源に大きく依存している我が国において、自動車産業への期待は極めて大きく、環境汚染、省エネルギー、温室効果ガスの排出抑制といった社会的課題に対応し、燃費のさらなる向上など、環境性能の一層の向上を通じて、その解決に貢献していくことが期待されている。
 自動車産業のさらなる発展は、安定的な燃料供給をはじめ、カーケアサービスを通じた事故の未然防止などを通じて自動車を支えている石油業界にとっても、持続的な発展の前提条件となってくる。
 現に石油石炭税を財源とするエネルギー対策特別会計から、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド自動車(PHV)、クリーンディーゼル自動車(CDV)、燃料電池自動車(FCV)などの次世代自動車の普及促進に向けて、車両購入補助から充電・充填インフラ整備に対して、毎年多額の補助金が投入されている。加えて、自動車取得税や自動車重量税、自動車税など自動車の購入・保有にかかる税金も免税または軽減されている。
 自動車産業の発展に向けて、次世代自動車で世界市場に打って出ていくため、国内において初期需要を開拓しようという政策を真っ向から否定するつもりはないが、消費者から日ごろ「高い」と言われるガソリンのコスト構造の4割は、ガソリン税や石油石炭税、消費税の税金で占められているという事実がある。ガソリン高値で買い控えや節約指向が高まり、需要減が進んでいるうえに、SSが日々お客様からお預かりしている税金を原資に、SSの収益の糧であるガソリンの需要減に拍車をかける次世代自動車の普及拡大にまで手を貸している。
 燃料課税もなく、自動車の取得・保有も免税・軽減されている次世代自動車が環境にやさしい正義の味方で、CO2や排気ガスを出すガソリン車が悪者扱いされるような近視眼的な議論がまかり通らないよう、我々は石油の重要性を訴え続けていかなければならない。

提供元:全国石油商業組合連合会
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