2014.12.08 のニュース
ガソリン 12月商戦は流動的 仕切大幅値下げに戸惑いも~増販期待の価格競争が心配~
ガソリンの仕切価格が3円/リットル(JX)4円(出光)の値下がりとなったことから、12月商戦は流動的となってきた。12月は1年間で一番販売量が多い月であり、販売業者も増販を期待しているだけに、値下げが加速するのではないかとの心配も出てきた。11月の初めには下げ過ぎのため市況立て直しを狙ったが、仕切価格が小幅な値下がりとなったため、結果的には空振りに終わったようである。11月末にはJXが11月分を遡及して値下げを実施したこともあって市況下落を容認して調整したことになるが、販売業者がどう受け止めるかにもかかってくる。遡及値下げが経営支援とみるか、これを機に末端市況の値下げ材料として採用するか否かにかかっている。結果的には過去の事後調整とみて経営支援ととらえれば、急いで値下げすることはないか、今回、仕切価格が3~4円の値下げとなった為どの程度値下げするのか、販売業者の対応が注目される。
ガソリンの仕切価格が12月に入って3~4円/リットルの値下げとなった。今までは小幅な変動であったため、その都度、末端市況に反映することなく、2~3週間ごとに対応しており、若干の地域差も出た。
しかし、今回は仕切価格が3~4円という大幅な値下げであるため、末端市況が3~4円の値下げとなる。その結果、ボトム価格が150円台を維持していた地区は140円台に入ることになり、安値の143円は140円割れの130円台となる。
石油情報センター調査(1日)では、平均で157円40銭/リットルとなり90銭の値下がり、20週連続の値下がりとなった。
東京は158円、神奈川は154円、千葉は153円、埼玉は152円となっているため、安値の千葉、埼玉は150円割れとなりそうである。
仕切価格も加重平均では10月が4円、11月が4円強となり、2か月間で8円の値下げとなっているため、これに12月の値下げが加わると一気に下落という心配も出る。ただ在庫も減販を見込んで低位にあり、需給も安定していることから大きな値崩れはないとみられる。
12月商戦入りとなり、末端段階で増販を狙った価格競争の再燃が心配される。
販売業者がマージン増を優先すると小幅な値下がりに止まる。減販が続いていただけに増販を期待する気運もあるようだ。